2006年6月アーカイブ

人財教育の実効を上げるために③

3."まずは教育ありきが実効を阻害している"

例えば、対象が管理者であれば、"マネジメント力向上"とか"リーダーシップ強化"といった極めて曖昧かつ抽象的な目的で導入しているのが実態である。

つまり、単に売り手である提供者側の商品パンフレットに掲載されている"コミュニケーション力の向上"とか"ロジカルシンキング""コーチング"等といったキーワードに反応し、"ウチの社員にはこれが欠けているから"等の理由で安易に導入を決めているのである。

例えば、顧客満足の向上を施策として打ち出すと即マナー教育や接遇教育、人事考課制度を改定すると即考課者研修といったように、極めて短絡的な視点で教育が導入されていめるというパタンがあまりにも多い。

然しながら、本気で顧客志向を志向するのであれば、事業戦略や組織変革なくして顧客満足という施策は決して実現できないのである。

また、新しい考課制度を組織内に浸透定着させるためには、まずは新制度を受け入れる組織の土壌改良が優先されるのである。

また、教育効果の検証についても、単に"受講者の感想が良かった、悪かった""社員が何かに気づいた、気づきがない"といったレベルでとどまってしまっている。

これは外部の教育団体に任せていれば人は育つ、或いは何となく教育が必要だからという極めて安易な発想である。

いずれにしても"まずは教育ありき"という考え方が、教育の自己目的化を招き、自社の経営やビジネスモデルと教育との連動性の喪失、自社の体質や風土と教育とのギャップを生じさせ、人材教育の実効性そのものを大きく阻害しているといえる。

ビジネスモデルや経営戦略と教育体系や人材育成方式をリンクさせ連動性を強化することが重要である。
そのためには、、経営企画や事業企画機能と人事教育機能を連動させ、新しいビジネスモデルに対応した人材教育には不可欠となってくる。


*続きはこちらにどうぞ。 
  【人財教育現場で思うこと】⑥

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