「慣れでできていることと、能力とをかんちがいしている」
この様な課題は多くの企業で見受けられます。
今回の現場ドキュメントは、中堅社員を対象としたコア人財育成教育で
交わされたディスカッションの一部をお送りします。
【プロとは何か】
参加者から出てくる、「我々は●●のプロとして...」という発言。
何気なく使いがちな「プロ」という言葉。
プロとは本来、どのような事を意味するのでしょうか。
教育中トレーナーから「あなたたちはプロですか?」
という問いがあった際に、参加者からは
「顧客よりも知識があること」「専門知識で適切な対応をすること」
を主な理由として「プロである」とする意見が多く上がりました。
しかし、売り手よりも買い手の方に豊富な情報ソースがある今、
上記の様な定義は本当に成立するのでしょうか。
ブリタニカVSウィキペディア。
知識を例に取ってみても、少数の専門家の深い専門知よりも、
多数の素人の集合知の方に価値が推移しています
自社、自業界だけの専門性に特化していても、
それだけでは相対的に価値は低下していきます。
人財も同様。
ある条件下でパフォーマンスを発揮していても、状況が変わった際に
同等のパフォーマンスを出せる、「再現性」があるかどうか。
そこで、一つの観点ではありますが、「プロの定義」として、
次のような内容にとても共感できました。
■自分の論理と組織の論理が矛盾したとき、躊躇なく自分の論理を選択できる人
■組織から出ても市場価値を落とさずに外部から引き合いが出る人
「自分は客観的にみて本当に価値があるのか」
「自分は本当にプロといえるのか」
トレーナーを交えた全体ディスカッションを通じて、
参加者は「自己を俯瞰すること」の重要性に気づきを得ていきます。
「忙しいので、将来のありたい姿を考えていない」
これではただ、問題を先延ばししているだけ。
十年後の自分の価値は、日々、自分が何を基準として行動していくか、
仕事をしていくのかによる‐
この事を自覚させられる一幕でした。