2009年2月アーカイブ

今回の現場ドキュメントは管理職手前の層を選抜した、
コア人財育成のプロジェクトより。

教育中、講師から「人は変化が大嫌いな動物」という投げかけがあった。

 

●そんなこと聞いていなかった
●そんなこと言われなくてもわかっている
●前例がない
●ウチの担当ではない
●上がそう言っているから ...等々、

 

メタボリックな組織には大企業病の症状が進行している場合も多い。

「何とかなるだろう・・・」
危機意識のない、甘い憶測や判断・意思決定は、その時はその時は楽だが、
時間が経過し積み重なっていくと人も組織もそのレベルは決定的になってしまう。

 

●今の自分に満足しない
●"わかっているつもり"にならない
●自分には無理と考えない。そう思った時点で思考は停止する=進歩しない
●変わらざるは悪
●一年(コア人財プロジェクト)を通じて自分は、どこが成長したか、進歩したか、を意識する。

 

次代、会社を担う参加者へ期待することを、講師からあらためて伝えた上で
参加者はプロジェクトのテーマについて、議論をしていく。

プロジェクトのテーマは「自社の現実」、とりわけ「自社の組織課題」を
題材としていた。参加者は自社の現実の課題に対して、自らの頭を使って
解決策を導くプロセスの中で、学習をしていく。

 

 

(以下、参加者の声)
「なぜ私たちは受け身体質なのか」
「自我関与が低いのと比例して、ここ最近メンバーのモチベーションが低い」
「会社全体、自我関与が低い。"自社でないといけない"理由(ロイヤリティ)はない」
「プロジェクトを通じて腹を割って話したい」
「周りの自我関与を上げるためにはどうすればよいか」

 

議論が交わされる中で、ある参加者から「何か気づいたことを、

皆さんは少しでも行動にうつしているか」という質問が投げかけられた。

後ろでオブザーブをしていた私は、非常に重要な投げかけだと思った。

新しく何かを学んでも、「結局やっても...」と考える人と、
完璧でなくても、気づいたことからすぐに現場でスタイルを変えてみる人。

 

自分に対する甘さも厳しさも全て蓄積されていく。

 

考え方一つでプロジェクト(全10回)が終わった時、
明らかに蓄積したモノの差、変化の差、成長の差が出るのだと実感した。

今回の「現場ドキュメント」は中堅社員を対象とした、
新規事業構築プロジェクトのグループディスカッションよりお届けします。

 

多くの企業が成長モデルの見直しを迫られる現在。

 

グループディカッションでは受講生から、
「自社事業も右肩上がりではないビジネス。何十年後成立するかどうか」
という声が上がっていました。

 

なぜ、企業も人も環境の変化に対応していけないのか。
その一つのヒントとして、講師からは以下のような投げかけがありました。

 

「経営、マネジメント、営業は人為的なものであり、本質は心理学によるところが大きい。
 人は手慣れた範囲では多くの事を処理できるが、手慣れていない事に対しては
 ゆっくりとしか対応できない。


 例えば、今までの経験、頭のテンプレートにない出来事が起きると、
 耐えきれない、我慢できない状態に陥る。
 状況が変わっているにも関わらず、相変わらず、
 手慣れた思考を使って問題課題に取り組もうとするパターンが圧倒的に多い。

 状況の違いを考えずに"いつも同じやり方でやっていける"と考える人は失敗する」
 
(以下、グループディスカッションの続き)

 

「自社ノウハウをつめて考える必要性がある」
「曖昧なターゲッティングは危険」
「新規事業が業務改善的発想になっていないかどうか」
「自社サービスのコアコンピタンスが不明瞭」
「異業種の参入を考えると"何とかなるだろう"的考えは排除すべき」
「シェアや社名で、今までたまたま顧客が取れていたのでは」

 

最後の全体討議では、"自社サービスを突き詰めて考えると、
それは本当に今の買い手にとって価値やメリットがあることなのか"
ということが議論の焦点となりました。

 

「かつての成功スタイルが、これから将来にかけては全く通用しない」
という前提に立てるかどうかで、後々の成果は大きく変わってしまう。

 

企業はもちろん、個人の仕事の在り方、人財として求められる価値においても、
これから先、非常に重要なことだと感じました。

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