2010年3月アーカイブ

日常の業務やマネジメント、経営、また仕事以外でも
人は、常に判断・意思決定をしています。
じっくりと考えることもあれば、瞬時に判断することもあります。

 

いずれにせよ、その時々で自分の中で考えられるベストであろうと
いう判断をし、意思決定をします。

 

今回は管理職の方々を対象に組織の運営上の判断・意思決定力の向上を
目的としたトレーニングの現場をご紹介いたします。

 

実施にあたり、架空の事例では受講者は深く考えることは出来ません。
OBT協会では事前に企業に伺い、ヒアリングをし、現場で日常起こっている
ワンシーンを題材とした事例を作成します。

 

トレーニングは、5~10行程度の情報(問題)を与えられ、短時間の中で
「あなただったらどう対応するか」を考えるもので、
全員同じ情報を持っているのも関わらず、それぞれが違った判断・意思決定
をしています。それは、個人個人の中にある、ものの考え方、また経験による
テンプレートの数が違うからです。

 

この状況を間の当たりにして、同じ情報でも、こんなにも判断や
その考えた理由が違うことに驚きます。


このトレーニングにより受講者は、議論の中で自分がどう考えていたかに気付きます。
それにより、一番重要なことは、自分はどれだけの視野を持っているのか、そして、

どこの視点から物事を見ているのか、この2つを再確認することです。
また、この議論の中から自分の考えられる幅以外の部分を他の受講者からの回答で

自身に取り込むこともできます。


トレーニングを終えての、受講者の感想は
・今までの自分の判断では、問題の解決には至らない。現象に対応していただけ
・自分の考え方はベストだと思っていいたが、議論していく中で、他の人の考え方や
 トレーナーがくれた観点は全く持っていなかったことに気付いた
・改めて、リーダーとしての役割について深く考えさせられた

 

などの、声があがりました。

 

大小に関わらず、日々判断を迫られ、その時その時で考え、対応してきたことも
再度、振り返ればその判断は本当に正しかったのか。と考えることは多々あります。

 

このトレーニングを通じて、まず、自分の判断・意思決定の特徴やクセなどを知ること。
そして、自分が通常思いつく方法以外は考えられないのか。と、違った角度から

検証しなおすという意識をする事の重要性を改めて感じました。

先月、「5年後の我が社の成長の方向を描き、推進する次世代リーダーの育成」に
三カ年計画で取り組まれている企業の第一期が終了しました。

 

3年間で30名の次世代リーダーを輩出するために、
毎年40名弱の次世代リーダー候補者を3班に分け、
各班延べ15日間の次世代リーダー育成コースに参加します。

 

毎年40名弱の候補者から10名前後が選抜され、翌年次のコースに進み、
3年目に現実の中で新たな事業への挑戦や既存事業の改革にそれぞれが

取り組むというシナリオを持って、次世代リーダー育成の三カ年計画を

進めていきます。

 

この企業では、「次世代リーダー育成」が重要な経営戦略として位置づけ

られています。
毎回必ず3時間程度、経営トップとの対話の時間が確保されており、
その中では、現在の会社の現状や昨年発表された中期経営計画の進行状況、
検討している新たな取り組みなどが経営トップから語られます。

 

そして、今なぜ会社が「次世代リーダー育成」に投資するのか、
参加者に期待することなどが経営トップから何度も繰り返し語られ
回を重ねるごとに質疑応答にも双方、熱が入ってきます。

 

毎回、経営トップから各参加者には

 ・ 顧客を変化をどう見ているか 
 ・ ここ2-3年で感じている変化は何か
 ・ 今の我が社の課題は何か 
 ・ 中計の実現に向けて、何をどう変えようとしているのか
 ・ 経営に対し、何か質問や意見はないのか 

  

などの質問が投げられ、最初は回答に窮していた各参加者ですが、
次世代リーダー育成コースが進むにつれ、
学習したことや獲得してきた視点で自分の見解を回答していきます。

 

「次世代の経営リーダーを早期に選抜してリーダー人材を早期に育成すべき

である」という議論は非常に多くあります。

 

次世代リーダー育成コースの成果を何で計るのだろうか。

 

1つは、経営陣への提案の内容のそのもの。
そしてもう一つ、この企業のように次世代リーダー育成コースのプロセスに経営陣が

関与し、参加者の意識や考え方の変化を直接感じていただく。

 

リーダーの選抜・育成とは、企業にとって極めて重要な戦略的課題であり、経営陣

自らがこれに積極的に参加することが、経営陣が主体となって後継者を育成していく

というメッセージの発信と行動で示していく必要があると改めて感じました。

 


 

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