2012年4月アーカイブ

  • nagaushi-top.jpg

    長牛 亮さん
     
    「これから企業社会に飛び立つ新入社員は、どの様に育っていきたいと思っているのか、 そして、会社や仕事をどの様に捉えているのか」 期待に胸膨らませた大学4年生に、新社会人としての率直な考えを訊いてみました。(聞き手:海津茂史)
     ※インタビューは入社前、2012年3月に実施


  • 【プロフィール】

    長牛 亮(RYO NAGAUSHI)

    早稲田大学を卒業。 2012年4月より、金融会社へ入社。

  • ────長牛さんは4月から金融機関へ入社されると伺っておりますが、志望動機についてお聞かせ頂けますか?

    凄く遡って考えると、昔から両親から「お金っていうのはとても大切に扱わないといけないものなんだ」と常々言われていた事が大きかったと思います。父親はわりと苦労した人間なので、僕は幼い頃から自分にとって投資となるようなお金の使い方をしなさいと教育をされてきたんです。それと、中学の時に『世界を変えるお金の使い方』という本を読んだことがあるんですね。すごい薄っぺらい本なんですけれども。何が書いてあるかっていうと。100円で今だったらペットボトルが買えますよ。って、でもその100円があれば、アフリカの何人の子どもにワクチンが買えます、と。それが100円単位から1億円単位まで。例えば、世界中の軍事機関を4日間停止すれば、全世界の子どもたちが学校に行けますとか。それを読んだ時に、無駄にお金を使うんではなくて、もっと有効的に使う方法があるんじゃないかと。その時に、お金を使う職業って凄く大事なんだなって思い、金融に行きたいって気持ちが強くなったんです。

    ────中学生の頃から金融関係に進むことを考えていたんですね。

    はい。僕は早稲田大学を卒業したんですけれども、何故、国際教養学部を選んだかというと。合格した際に、パンフレットが送られてくるのですが、その中で今年の卒業生はこういうところに就職しましたって、ランキングが出ていたんです。そのランキングをみると、上から金融ばっかりだったんですね。それで他の学部とか他の大学とかの選択肢があったのですが、今の学部に決めました。

    ────具体的に金融業で何をしたいという自分なりの目標はあるんですか?

    自分のファンドを持ちたいと思っています。なぜかというと、自分で有効的に大きな資産を使って、何か大きいことをしたいという思いがあり、有効に活用して、もっと経済が全世界が良くなって欲しいと思います。例えば、この話は僕が介入出来る物でもないのですが、一部の国で油田を持っている豪族だけが私腹を肥やしている。共産主義と言われるかもしれないけれど、もっとスタンダードを上げたいと思っているんです。お金持ちが常に上にいるのは変わらないけれど、埋まらない経済格差とか、世界中で貧困層が増え続けている現状だとか、そういった問題に対して何か少しでもアプローチしたいんです。それを僕はお金という全世界共有のものを使って救いたいと思います。

    ────大きな夢ですね。

    僕は文系なんですけれども、文系の人間がファンドを持つということは、すごく難しいことで、数学とか金融工学というのが絡んでくるんですね。可能性としては、0.01%あるかないか。自分にとってはそれくらい厳しい夢で厳しい道のりなんです。でも、努力してこれからその知識を付けていけばいいって僕は逆に思っています。そうする為には、いろんな仕事を経験したいと思っています。

    ────長牛くんにとって、会社とはどういうところだと思いますか?

    自分の夢を実現させる為の学びの場だと思います。だから、働かさせて頂いているという考えはいつまでも捨てたくはないです。また、会社が欲しい利益をちゃんと提供しなくてはいけないと考えています。その中で自分が欲しいものも得る。そういう関係が構築できればいいなっと思っています。

    ────会社に貢献する為に何か努力している、もしくは努力したいことはありますか?

    知識ですね。どれだけ金融の知識を付けられるかです。僕は昨年の4月に就職活動が終わってから、1年弱時間があったんですね。旅行に行ったりだとか、最後だから遊び倒すって人もたくさんいたんですけれども、それは違うなっと思っていて、ここで遊んでしまったら、活躍出来ない、埋もれてしまうなって思って、ずっと資格の勉強をしていました。それで、金融に関するある国際資格なのですが、すべてテキストもテストも全て英語でやるんですけれども、勉強して、今年の1月になんとか一次試験をパスしたんです。そういう知識を身に付け、自分は会社に貢献していきたいと思っています。

    IMG_1187.jpg

    ────なぜ、そんなに頑張れたんですか?

    "埋もれたくない"って思いがあるからだと思います。僕には兄がいまして、3つ離れているんですけれども。中学の時、僕はすごく頭が悪くて、どうしようもない状況だったんです。中学受験をして、受かったせいで浮かれてしまい、まったく勉強をしなくなったんですよ。中高一貫教育だったのに、高校に上がれないよって担任に言われたんです。そんな時に、当時高校生だった兄は、すごく賢くて、スポーツも出来て、努力家で親にも迷惑をかけず、そういう人間だったので、周りからすごく比べられたんです。どうして自分は兄と比べられないといけないんだって凄く悔しく感じたりもしましたね。そんな時に、高校に上がれないって言われて、これはさすがに自分の人生を覆すような大きなとんでもない出来事だと思って、それが相まって、勉強するようになり、そこから何事にも負けたくないなって気持ちが出始めました。

    逆に今は、兄も親も期待してくれているのですが。でも、迷惑をすごくかけてきたので、その期待を裏切りたくないなって気持ちが根底にあるんですよ。この時の経験があったからこそ、就職活動が終わってからも遊びに走るのではなく、資格勉強を続けられました。

    だから、就職活動している時でも、激務なところに行きたいという気持ちはあったんですよ。定時に帰っている人と、夜中の3時に帰る人だと、効率的に考えたら別ですけど、とりあえず、こなせる仕事を3時までやっている人の方が仕事の量は多いはず。単純に考えてたとして、どんな過酷な状況でもいいから、仕事がいくらでもできるような環境にいたいと。

    ────ご自身で何故変われたんだと思いますか?

    変わらざるを得ないぐらいの状況だと気付いたからだと思います。高校に上がれなかったら・・・と思うと、心配で夜も寝られなくなりました(笑)動悸みたいなのがして、まっ暗闇だなって思って。だって、聞いたことないじゃないですか。中高一貫で、高校に行けないって。その時初めて将来ということを考えて、このままだったらダメだって思って。でも、そこまでいかないと僕は変わらなかったと思うんです。今でもたまに、不安で寝れない時とかもありますが、それを打ち消すように、勉強しようみたいな。

    ────辛い・苦しい経験や失敗をきちんと振り返ることが出来ると人は成長すると思います。

    今のところ僕にとっては、中学の時の経験が大きな転機になっています。 それもきっかけとなって、今では受け身なのが嫌になり、能動的に動く様になったのですが、やっぱりチャンスが目の前にあっても、能動的じゃないと受け取れない様に思います。当たり前ですけれども。やらないと・・・だから、能動的に動いてみて金融に関する国際資格の試験を受けるとか。でも、試験を受けるのに受験料が30万もかかるんです。落ちたらどうしようと思ったんですけれども、親に頭を下げて、何とか受けさせてくれって、そういうところにも、自分から自分からって姿勢で行かないとダメだと思います。それは、これからの仕事をする上でも一緒だと思っています。

    ────会社に入ると自分の思い描いた理想とは違う現実があるかもしれないけど、その時はどう考えますか?

    僕の就職先はコースがあって、ある程度、進む道が決まっているんです。僕は、自分が興味があるところから内定をいただいていて、回る可能性がある部署はすべて僕にとって貴重な経験になると思います。もちろん、僕の考えているものと違うことはあると思いますが、そうなっても仕事を辞めるとか、会社を変えることはしないと思います。たぶん自ら環境を変えるように努力します。例えば、上司と飲みに行って自分の考えを聞いてもらうとか、人事部に訴えるとか、そういう風に動くと思います。行動してみないと分からないですし、そのくらい思いがあって決めた会社ですから。

    ────よくネームバリューや安定性、人事の人の雰囲気で会社を選んでしまう人もたくさんいますよね。

    僕も規模や知名度が大きいような企業と迷った時もあり、揺らいだ時期はありました。ただやはり、自分の夢を叶えるために必要十分な知識・経験・スキルが身につけられる、そういう仕事をしたいって思って、今の会社を選んだんです。それにはもちろん自分は金融と言うものが好きということが根底にあります。勉強していても楽しいし、資格の勉強をしても苦じゃないんですよね。実は僕は、就職活動の時に金融機関しか受けなかったんです。おそらく僕のような学生は少ない気がします。だから、僕は変わっていると思います。本当に金融が好きでっていう人って意外と少ないと思います。金融工学をやってきた人くらいだと思いますね。僕の場合は、好きなことを仕事に出来たかって聞かれたら、迷いなく『はい』って答えます。

    ────最後の質問ですが、どのようなビジネスパーソンになりたいですか?

    金融に関して、何を聞かれても答えられるような人間になりたいですね。そのために、僕は銀行に就職するんですけれども、金融全般に対する幅広い知識を付けることが必要になると思います。幅広い知識を付けなかったら、逆にこれから先、活躍出来ないと思うんですよ。それの知識のベーシックな部分は資格で身に着けている途中なのですが、まずは、実務でその知識をいかに使えるかという点だと思います。仕事をしていくうちに自分が今まで培ってきた知識が活きるんだって瞬間があると思うんですね。そういう瞬間を早く自分は見つけたいというか、感じたいなって思います。

    ────長牛さんにとって、育つ・成長していくということは、自ら描いた大きな夢に向かって、能動的に進むことなんですね。そして、大学を選ぶ、会社を選ぶにも自分のブレない軸に沿って、歩まれていることがよくわかりました。好きだからこそ、大変でも勉強を続けられる、そして、一生の職業にしたいと思うんですね。これから先、大変なこともあると思いますが、頑張ってください。本日は貴重なお話、ありがとうございました。


    インタビュー後記


    "あなたは好きなことを仕事にしていますか?"と聞かれたら、どれくらいの人がYESと答えるだろうか?
    よく"好きなことを仕事に出来たら幸せ"というが、それが簡単なことではないくらい、みんな知っている。いくら好きなことであっても、それを生業とするには、それ相応の努力が必要となるのだ。私共も仕事柄、多くのビジネスマンと接する機会があるが、大体の人が社会人になる時に、企業のネームバリューや安定性で会社を選んでしまい、結果、本当に付きたい仕事に就いていないという人が多い。またそれ以上に自分が何をしたいのか明確になっていない人も多々いるのだ。一生の職業にしたいというものに出会うことは、難しいかもしれない。然しながら、今居る職場でも、自身を活かせる・やりがいのある仕事は必ず見つけられる。それは、自分の仕事への主体的な取り組み方で決まる。
    まずは、会社に不満を言う前に、自らが仕事に対する考え方・向き合い方を変えてみるのもいいかもしれない。
    新入社員の真っ直ぐな思いを受け、自身の入社時を少しだけ思い出した...。

  • kaizu.jpg

    聞き手:OBT協会  海津茂史

    OBTとは・・・ 現場のマネジャーや次世代リーターに対して、自社の経営課題をテーマに具体的な解決策を導きだすプロセス(On the Business Training)を支援することにより、企業の持続的な競争力強化に向けた『人財の革新』と『組織変革』を実現している。

  • watanabe-top.jpg

    渡邉 侑さん
     
    「これから企業社会に飛び立つ新入社員は、どの様に育っていきたいと思っているのか、 そして、会社や仕事をどの様に捉えているのか」 期待に胸膨らませた大学4年生に、新社会人としての率直な考えを訊いてみました。(聞き手:海津茂史)
     ※インタビューは入社前、2012年3月に実施


  • 【プロフィール】

    渡邉 侑さん(RYO NAGAUSHI)

    早稲田大学を卒業。 2012年4月より、情報サービスを主な事業とする出版関連会社に入社。

  • ────渡邉さんは4月から出版関連会社に入社されると伺っていますが、まずは、志望動機についてお聞かせ頂けますか?

    正直な話、最初は就職活動にまったく興味を持てなかったんです。自分のやりたいことが、はっきりとわからなかったですし。僕、9か月間アメリカに留学していたのですが、その時は漠然と、ある有名なアニメの制作会社に憧れていました。幼少期の頃、そのアニメのファンだったんで。それで調べてみたんですが、その会社は日本人も含めて本当に色んなバックグラウンドの人が働いていたんですよね。それで日本に戻ってからは、「そういうクリエイティブなモノをつくっている人の集まり、環境で、自分も刺激を受けられたら」と思って、必死になって探した結果、今の会社にたどり着いたんです。

    ですので、最終的な決め手は、そこで働く"人"ということになるんでしょうか。「自分は本気でこれをやっていく!」「将来、世の中にこんな影響を与えていく!」っていう自信を持って語る人が多くて。むしろ僕なんかは逆の気質で、あんまり自信を持てない方なのですが、そういった"自分に持っていないもの"を持っている方が周りにいれば、いい刺激を受けられたり、自分もそういう風になれたりするのではと思ったんです。

    ────会社ではどの様なことを習得していきたいですか?

    うまく言えませんが、"自分は何屋か"という得意分野をはっきりと言えるようになりたいです。周りからも「これならお前に任せられる」という風に。恐らく営業に配属されると思うのですが、例えば「折衝する時は渡邉侑しかいない」と言われる様になりたいですね。

    ────会社に入ると、渡邉さんが思い描いた事と違うことを会社に求められるかもしれませんが、その時はどの様に受け止めようと思っていますか?

    ...そうですね。やりきらなければならない場面もありますよね...ただ、思った通りに事が進まなくても、耐えること、ストレス耐性は必要だと思います。学生時代、色んなプロジェクトやNPOの活動に参加していたんですが、海外では唯一の日本人ってこともあって、結構一番下の立場だったんです。逆らえないし、当時はそんなに流暢に英語も話せないし、振られたことを処理するのに精いっぱいで、心の中で葛藤があったりもして。そういった経験から学んだことって自分の中では結構大きくて、これから先も糧にしていければ、と思っています。

    ────逆に、会社や上司に期待すること、求めることはありますか?

    そうですね、自分が経験したこともないことを経験している人、違ったフィールドで活躍している人...社外の方も含めてそういった人を多く巻き込んで仕事をできる機会があればいいなと思っています。例えば「面白い企画を上げてこい!」って言われた時、どうやったらクリエイティブになれるかというと、自分が経験したことがないフィールドとどれだけ接点があるか、ということが大事だと思っているんです。

    僕は文系出身なんですが、プログラミングが得意な学生だったり、一方で書道家の方だったり、一方で政治家だったり...全く違う経験を持った人と出会った時に「この人達、何を考えているのかな」って探っていると、何気ない一言でも「これ、おもしろいな」って思えることが、結構あったりするんですよね。そういった場ですとか、機会を提供していただきたいなと思います。

    ────御自身でも、そういう活動に参加しているんですか?

    はい、学生時代もよく参加していて、今でも色々なところに顔を出しています。あと最近、竹田研究財団(※)の下で古事記を世界に広める活動に参加させていただいております。古事記が編纂されてから今年で1300周年なので、その潜在的な面白さを日本国内と世界に広めていく活動をしているんです。今はまだ少ない運営メンバーでの活動ですが、草の根的な繋がりでやっています。そういう場をつくっていくことで、いろんな人が集まってきて、話していくと、"自分にないもの"を得ることができる、っていう風に考えているんですよね。人によって持っている"色"みたいなものがあって、「これは出会ったことがない色だな」と感じる時は、とてもおもしろいんですよね。そういうところで学ぶことは、個人的にすごく大きいと思っています。...あと、好奇心があるのか、何かわからないままですと、眠れないんですよね。気になったことはその時にすぐ調べるタイプなんです。

    (※一般財団法人竹田研究財団:平成18年から全国で日本を学ぶための勉強会を開催してきた竹田研究会が設立者となって、平成23年11月16日に設立された財団  http://www.takenoma.com/kojiki1300.html


    ────就職活動をされて、率直なところ、どの様なことを感じましたか?

    日本人は日本でしか就職活動をしていない現状は個人的に問題だと感じました。留学から戻ってきて周りを見ると多くの韓国の方、中国の方が日本の学生と肩を並べて就職活動をしている。でも例えば、日本人がシンガポールで就職活動をしているか、というと、そんなことは聞いたことないですよね。留学経験があるからかもしれませんが、海外に行ったら色々な国籍、人種の方が働いているのに、日本に来たら日本人しかいない、このことに違和感があったんです。ペリーの黒船ではないですが、来るもの拒む閉鎖的な雰囲気って、日本にある様な気がします。

    2shot-wtanabe.jpg

    ────ビジネスパーソンとしてどういう風に成長していきたいか、お聞かせください。

    今までの経験でしかないのですが、僕は"成長"って、二つあるんだと思います。一つは、今、できることが更にできるようになる成長と、もう一つは、できなかったことができるようになる成長。

    まだまだ漠然としていますが、"できなかったことができるようになる"成長をしていけたらな、とは思っています。入社してからは初めてのことばかりですが、経験をつんでからも安心するのではなく、やったことがないことができるようになったり、新しい価値観を身に付けたりすることを実感していきたいですね。

    ────その為には、どの様なことが必要だと思いますか?

    繰り返しになりますが、やはり、自分とかけ離れたフィールドの人とどれだけ接点を持つことができるか、ということが重要なんだと思います。今までの自分とはまったく関係の無い人達とどうやって出会うか、接点をつくれるか、というのを考えながら仕事をして、一つ一つの出会いの中で新しいことを学んだり、吸収したりしていくことが大事だと思いますね。

    ────近年は、企業側も時間をかけて新人を育てていく余裕がなくなってきています。育っていくためにはどの様なことが必要だと思いますか?

    大学も結局、学生自身に「学びたい」っていう気がないと、授業をさぼりだしたり、モチベーションってどんどん下がっていくところがあるんですよね。ですので、社会人になっても、一つ仕事が終わったら「この仕事を下さい」っていうのを自分からどんどんやっていかなくてはいけないのかな、と思っています。

    あと、そうしていくためには"チーム"って、すごく大事だと思うんです。就職活動中も人事の方に「一番いいチームを組める会社に行きたいです」っていうのは、いつも言っていて。色んな人とチームを組んで、知恵を出し合って、仕事を進めていける様な環境が大事なのでは、と思っています。

    ────渡邉さんにとって、「仕事をする」とは、どういうことだと思いますか?

    まだ、スタートラインに立ってもいないので、今の時点での考えなんですが、仕事をすることって、"わくわくすること"だと思っています。きれいごとの様ですが、"仕事=お金を得る"だけではなくて、その分の働きをするのは当然なんですが、そのことを通じて、どれだけ新しい発見ができるかが、とても大事だと思っています。それが、どんなに小さなことでもいいので。1+1=2、という世界だけではなくて、自分なりに新しい価値を見出す事って、すごくおもしろいことだと思うんですよね。

    これからの人生、ほぼ、働くことに時間を費やすことになります。だから、"わくわくすること"ってとても大事だと思っているんですよね。

    ────渡邉さんにとって、「育つ」ことは、自分が経験したことのない新しいフィールド、自分にはない新しい価値観に出会うことが重要なポイントなんですね。これから先、大変なこともあると思いますが、頑張ってください。本日は貴重なお話、ありがとうございました。


    インタビュー後記


    「固定観念なく新しい経験、新しい価値観を受け入れることができて羨ましい」渡邉さん のインタビューを通じて率直に感じたことです。「最近の新人は...」とついつい口にしてしまう管理職の方も多いと思いますが、"育てる側"は十把一絡げにしないことが大切だと思います。「ゆとり世代」等という言葉で括ってしまうと、例えば渡邉さんの"新しいことに対する柔軟性"の様に、今の若者だから持てる"良さ"は見えてこないと思います。ただ一方で、"育つ側"は簡単にめげないで、会社や上司に受け入れられる様に努力する姿勢が必要です。自分の全てをそのまま受け入れてくれる会社はなく、また、企業や組織の論理に合せて自分を変えていくことで、人は成長していくからです。
    "奇跡の一本松型"日本生産性本部は今年度の新入社員をこう評価しています。厳しい就職戦線を戦い抜いたことを称えると共に、想定外の事態に直面しても困難を乗り越えていってほしいという期待が、その背景にあります。渡邉さんをはじめ、新人の皆さん、壁にぶつかっても臆せず頑張ってください。そして上司の皆さん、色眼鏡にかけず自分の部下一人一人を見て、厳しく育て上げてください。

  • kaizu.jpg

    聞き手:OBT協会  海津茂史

    OBTとは・・・ 現場のマネジャーや次世代リーターに対して、自社の経営課題をテーマに具体的な解決策を導きだすプロセス(On the Business Training)を支援することにより、企業の持続的な競争力強化に向けた『人財の革新』と『組織変革』を実現している。

このアーカイブについて

このページには、2012年4月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2012年3月です。

次のアーカイブは2012年5月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。