現場ドキュメント: 2009年3月アーカイブ

 ~ 次世代リーダー育成のレビューより ~

 

昨今の急激な市場環境の変化の中、どこに教育予算をかけていくべきなのかなど、

教育に対する考え方の見直しが図られています。
階層別など一律の教育から選抜へ、組織を挙げて、早い段階での創造型リーダーの育成、

いわゆる「選抜型の次世代リーダー育成」が盛んにいわれています。

 

OBT協会では、「選抜型の次世代リーダー育成」を数多く担当させていただいており、
数か月(十数回~20回程度)の中で
  1.このプロセスを通じて、次世代リーダー育成
  2.経営に対する経営改革案などの提言
を「選抜型の次世代リーダー育成」の成果物として、アウトプットしてまいります。

 

先日、2月に経営に対する提言を行った次世代リーダーの方々と総括を行った際、
参加した方々から

  『最初、何のために自分が参加しているのかがわからなかった』
  『スタート段階、みんなの意識が揃っていなかった』
  『最初、殆どの人の意識が低かった。途中から自分自身も変わり、
  意識が高くなってきたが、次回は事前にもっと動機づけをすべき』
  『早い段階で、この場に対する意識や意志が揃っていれば、
  もっと深い、もっと本音での議論ができたであろう』
などが反省点として挙がってまいりました。


「選抜型の次世代リーダー育成」をスタートするにあたっては、事前に動機付けの重要性を

お話させていただき、お願いをしておりますが、

現実には「案内文」で通知されただけであったり、上長からの期待も含めた説明や意味付けも

十分になされずに参加している方も少なくはないようです。

 

「選抜型の次世代リーダー育成」は『自学』『自育』の場です。

そのためにも、最初の動機付けは最重要且つ絶対条件であるといえます。

その動機付けは、是非とも経営トップの方からも行っていただき、そしてスタートしてからも折に触れ、

行っていただくことが成果に大きな影響を与えることは間違いありません。

 

「選抜型の次世代リーダー育成」の成果には、最初の動機づけが重要ポイント。

動機付けは社内でやっていただくべきことであり、社内だからこそできることだと

次世代リーダー参加者との総括を通して、実感しました。

今回のOBT現場ドキュメントは、2月に某通信関係企業で実施した、
次世代リーダーの育成フォロー教育の現場についてご報告致します。

 

OBT協会で実施する教育の一つとして、

管理職の中から将来を嘱望されている若手管理者を選抜して、

"次世代のリーダー"を育成しようといった取り組みがあります。

 

この企業では、この試みを、2007年に第一期生、2008年に第二期生というように
1年間かけて長期的視点から育成して参りました。

 

そして、終了後1年経過後に再度フォローのための教育が行われました。
1年間の間に、何をどの程度実践し、どのような結果であったか等といった振り返りと、
これからの自分の課題を再構築するための時間でした。

 

OBT協会では「受託した教育」が「現場で活かされないと全く意味がない」と考えており、
今回の教育現場でも長期(約2年間)に渡って育成フォローをして参りました。
教育の現場で学んだ「気づき」を、じっくりとそれぞれの受講者に根付かせ、
意識させることが「価値のある教育」であると考えた末の内容です。
この中身を作るには多くの時間と研究が必要ですが、

この価値を生み出すことに教育の意味があるのです。

 

受講生は既に1年間の育成と半年後のフォローを終えて、今回はその最終フォローの現場でした。

 

受講生は10名、どの方も同じタイプという方はいませんし、どの方もそれぞれ良さがあります。
しかし、仕事との向き合い方は共通したものが感じられました。

 

それはなぜでしょうか?

 

「仕事とは、個人ではなく組織で動く」

 

そう、この組織を動かす原動力となるのが、今回受講した次世代リーダー達です。
彼らが「個から変わる」、そして「組織を動かす」という気持ちを持っていなければ、
せっかくの組織も停滞し、個のモチベーションの低下、最終的には組織が成り立たなくなります。

大企業であればある程、この力は問われる部分であり、

「誰かがやっているから大丈夫」という意識は、やがて何かのタイミングで崩れていくでしょう。

 

今回の受講では、自らのマネジメントや業務遂行スタイルを規定しているものの見方、
考え方を仕事において気づきを起こさせる機会となり、また部署ごとのリーダーとの交流が、
所属している自社を「組織」として意識させることも重要な要素になっていました。

 

この気づきを定着させる事は、大変難しいですが「企業」が「組織」である限り、

忘れてはならない原則です。

人に思いを伝えることは、なかなか考えている通りにはいきません。
人に教育するのも同じことです。

 

思いを一つに、個の成長、そして企業の成長というものの過程を、

今回目の前で見ることが出来たと感じています。

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.1

このアーカイブについて

このページには、2009年3月以降に書かれたブログ記事のうち現場ドキュメントカテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは現場ドキュメント: 2009年2月です。

次のアーカイブは現場ドキュメント: 2009年4月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。