2006年8月アーカイブ

何故これまでの研修や教育の効果が上がらないのか!

人財教育の実効を上げるために⑦

これまで、人財教育の実効性が上がらない要因として
  1.人財像の定義が不明確
  2.教育の内容や中身そのものの"問題
  3.まずは教育ありき"という考え方に大きな問題がある
  4.教育施策や育成制度がビジネスモデルや経営戦略と全く連動していない
  5.組織の規範や風土が新しい知識や情報を阻害
  6.講師やトレナーといわれる教育実施者のレベル
等の問題について説明してきた。

今回は、

7.経営トップの人材育成への関わり方

人事・教育部門だけでなく、経営トップの人材教育への積極的な関与が非常に重要となってくる。

欧米での優良企業では、いずれもが教育に対して経営トップが単に理解を示すというレベルにとどまらず、自らが積極的にこれに関与している。
日本でも売上高1兆円を超える某企業では、その教育現場に毎回必ず、経営トップが参加し、経営の状況や今後の課題そしてこの教育に経営トップとして期待すること等を受講者に伝えている企業がある。

この企業では、組織変革のために、教育の現場を通じて社員一人ひとりの考え方と行動の変容を経営トップ自らが受講者全員に迫っているのである。因みこの企業の業績はすこぶるよい。

教育の場を、経営トップ自らが理念や戦略を語る場、社員との一体感を作る場として捉えるとそれは人材育成にとっても極めて有効裡に働くであろう。

経営トップを教育の場に引き込むためには、人事・教育部門が自社の人材の教育に対して経営サイドにいい意味づけを与えられるかどうかにかかっている。

"人財教育の実効性"を考える時、重要なことは
まずは、自社の経営システムとの連動性の中で、そのサブシステムとして人材教育を位置づけることが不可欠となってくる。

          ◆人財教育の実効性をあげるための要件◆
            教育の実効性と投資効果向上のために

          人  ←  自社のビジネスモデルや戦略との連動
        実財  ←  組織の規範や風土の革新
        効教  ←  経営トップの人材教育への積極的関与
        性育  ←  教育の内容そのものの革新
          の  ←  現場で指導する教育指導者そのものの革新


*続きはこちらにどうぞ。 
  【人財教育現場で思うこと】⑩

何故これまでの研修や教育の効果が上がらないのか!
講師やトレーナーの質が企業の経営課題や戦略と全くにマッチしてない。

人財教育の実効を上げるために⑥

これまで、人財教育の実効性が上がらない要因として"1.人財像の定義が不明確"、"2.教育の内容や中身そのものの"問題、そして"3.まずは教育ありき"という考え方に大きな問題があることさらに、"4.教育施策や育成制度がビジネスモデルや経営戦略と全く連動していない"、"5.組織の規範や風土が新しい知識や情報を阻害"している問題について説明してきた。

今回は、

6.講師やトレーナー等の教育実施者のレベルの問題

講師やトレーナーといわれる人財教育に携わる人たちに"経営や戦略"といった実務に通じた人が非常に少ない、その証左として「経営戦略と人財開発の関係」を論じられるだけの人財が少ないというのも大きな特徴である。

経営がビジネスモデルで戦う時代になっているにも関わらず、"事業戦略と人財育成策の提唱"や"ビジネスモデルから人財マネジメント論を発想する"といった議論は教育現場ではほとんど聞かれない。

経営とは全く無関係の領域で管理者教育等で頻繁に行われている極めてミクロな組織論や人間関係論を中心とした教育がなされているのである。
これは"経営とは無関係に人財教育として正しい論理が存在する"という強いパラダイムがあるのであろう。

従って、多くの研修というのは、講師が場を仕切り、受講者を特定の価値観、特定のポイントに落とし込むことをねらう。
そのポイントに落とし込むことをねらっているから講師はあくまでもそのポイントに落とし込むためのシナリオやマニュアルを用意している。

受講者から異論が出るとまずは「そうですね」と言い、「だけど〇〇の場合はどうでしょうか?」といった一般論であくまでも自分達のマニュアルやシナリオを貫き落とす。

落としどころは一箇所なのだから、シナリオやマニュアルと違う方向に分岐してしまうと落とし込むポイントを失ってしまう。

これは、研修という場は、講師達が用意している一般論の材料の中に受講者を呼び込みそこで教えるので起こるのである。

このように、研修や教育の現場を担当講師の大方は、単なる"教育プログラムの中でいかに最適なオペレーションするか"、そして"いかにいいアンケートを書いてもらいリピートにつなげるか"等といった極めてレベルの低いところで終始しているのである。

このようなことが、現実のビジネスの世界の関係者から、人財教育や研修の位置づけを極めて低いものとしてしまっているといえる。

従って、これからは、「顧客企業の経営や戦略にそった人財教育」を行う必要があり、そのためには、「顧客企業の経営を論じられる」「顧客企業の戦略の是々非々に的確な意思表示が出来る」等といった能力やスキルが必須になるのではないだろうか。

そうして始めて、"自社の経営戦略にとって正しい人財育成や人財教育方式"の構築が可能となり、且つビジネスの世界の関係者からの関心も高まるのではないだろうか。


*続きはこちらにどうぞ。 
  【人財教育現場で思うこと】⑨

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