2008年7月アーカイブ

20代のうちにどれだけ難しいことにチャレンジしたか、

どれだけ深く考え、行動したかが、20代の自分の在り様が

その後の自分の在り様を決める。

 

20代の過ごし方は人様々ですが、私の場合は忙しさのあまり
"自分は将来どう在りたいのか"などを考える時間もなく、

目の前のことを一生懸命やっていけば"なりたい自分になれる"
毎日の忙しさと経験の長さを成長と思い込んでいた気がします。

時間は戻らないということを、30代になってしみじみと噛み
しめる女性も多いのではないでしょうか。

 

STEP : 将来の在りたい自分の姿を描く

 

今回の女性キャリアデザインに参加された皆さんに、

『数年後の在りたい自分の姿』を事前課題として、
文章にまとめてきていただきました。

それぞれの『数年後のありたい自分の姿』をより鮮明に
顕在化させるために、
セッションを進めていきます。

 

"数年後、ビジネスマンとして自分はこう在りたい"

普段から考えている方は、映像を観るように自分の
在りたい姿を語ります。

その表情を見ていると、こちらまで笑顔になり、
引き込まれていきます。

 

セッションが終わり、感想交換では 

 

 ・将来のことをしっかり考えていない自分にショックでした

 ・自分には何ができるだろうという発想で、
      将来の道を考えていましたが
これを機に自分は
   何がやりたいのかを考えたい

 ・将来こうありたいと普段から考えていましたが、
   より明確になりました

 ・同じ会社、同世代で集まっても、
   こんなに違うことに驚きました

 ・将来の在りたい姿はまだはっきりしませんでしたが、自分が
   どんな時に
嬉しいのか、ワクワクするのかがわかりました

  ・この会社ではやりたいことはやれないと思っていましたが、
   ペアを組んだ方の将来の在りたい姿を聞いて、
   それも自分の考え方しだいだと思いました。

  ・将来の自分を決めるのは、自分自身なんだと気づきました。 

 

などの意見が出てきました。

 

将来こう在りたいと思っても、どんなにありたい姿を描いても、

思い通りに実現するとは限りませんが、目的地も決めずに

進み何処に辿りとこうとしているのか。

このセッションを会場の後ろで拝見しながら、

ついつい自分自身に置きかえて考えてしまいます。

 

"すべからく自分"がテーマの
『女性キャリアデザインワークショップ』


今回の女性キャリアデザインのスタート時には、

「会社が・・、上司が・・、今の職場では・・」と発言して
いた方もいましたが、
多くの方が矢印を自分自身に向けて
いきます。

 

前のめりになりながら一生懸命走ってきた人、

「やりたいことが見つからないの」と青い鳥を探し続けてきた人、

目標を見定め、一歩一歩着実に進んできた人・・・。

それぞれが立ち止って自分自身と向き合い、
一歩を踏み出すためのワークショップでした。


日本の総人口は、2005年の21億2776万人をピークに減少の一途を辿り、

2055年には8993万人へ減少。

15歳から64歳の生産年齢人口は、1995年をピークに減少し続け、

現在(2008年)、8233万人から2055年には4595万人と

生産年齢人口は半数近くに減少すると予想されます。

(国立社会保障人口問題研究所)

 

そんな中で、労働力を確保することは企業にとって、

最も重大な課題の一つであり、特に女性社員の定着化・戦力化への取り組みは、

多くの企業にとって必要不可欠となっています。

 

これは何も、労働人口が減少しているからという理由だけではありません。

既婚者の場合、車を買い替える時の意思決定や、家を買う時の意思決定、

食材を選ぶ意思決定はほとんどが女性。

つまり、つまり女性の感性や購買欲求を促進する取組みが求められています。

 

その為エンドユーザーに近い企業では、女性の視点や感性を取り入れるために、

女性が働きやすい職場環境作りに向けての取り組みは比較的すすんでいます。

しかし、エンドユーザーから遠くなればなるほど、

女性活用に向けての取組みが進んでいないのが実態ではないでしょうか。

 

また、産休や育児休暇の制度はあるのに、

実際には運用されていないといった企業は少なくないように思います。

 

そこには、運用を阻害してしまう、その企業の体質や風土となっている

人の意識が内在しているのではないでしょうか。

 

「この仕事は女性には勤まらない」、「結婚や出産があるから女性には責任のある仕事は任せられない」という男性社員側の固定概念。

一方で、「どうせ長く働く気はない」、「キャリアアップを望む女性は特別で、私は無理」、

「活躍するためには、男にならなくてはいけない」、「現状のままで満足している」、

「家庭と仕事を両立させるのは、難しい」という女性側の意識。

 

企業にはそれぞれの、風土や体質、文化などが複雑に入り混じっているため、

制度を導入したからといってすぐに実効が上がるわけではありません。

制度を運用するのは人であり、感情。感情が伴わない制度は運用されず、形骸化してしまいます。

 

今回お手伝いした企業もそのような状況にありました。

男社会と言われる企業風土の中で、これまで仕事に従事されてこられた女性社員を対象に、

自分の遣り甲斐や生きがい、自分が生み出している価値について

改めて考えていただく教育のお手伝いをさせていただきました。

 

この企業にとって、女性がイキイキと働ける職場環境を作るための

本格的な取り組みとしてこの教育がスタートしました。

 

参加された方のほとんどが新入社員研修以来の教育の場であり、

「何故、私たちが呼ばれたのかしら」「何故女性だけなの」「いまさら女性活用?」

というような雰囲気が漂う中で、教育がスタートしました。

 

まず、最初のセッションでは、『キャリア』について考えていただきました。

実在する人物の仕事に対する考え方や、向き合い方を映像で見て、

自分の現状を振り返ると共に、目指したい自分を描くことに意味についての

議論していただきました。

 

やはり、そこでは「この人たちは特別」「自分たちとは環境が違う」

という意見も出ましたが、会社が悪い、上司が悪い、風土や体質が悪いと、

原因を自分以外に置いても答えはでません。

自分にとって完璧な会社などどこにもなく、

それぞれの企業が少なからず問題を抱えています。

 

イキイキと働くことができるか、そうではないか。現状をどのように捉えるか。

全ては本人の在り様、「すべからく自分」だということが言えると思います。

 

ここでは実在する人物を通して、現状の自分とどこまで向き合うことができるかが重要。

 

議論の中で受講者から、

「自分の仕事の目的を理解していて、前向きに仕事に取り組むことが大事」

「仕事が好きなだけではなく、意味を見出せることがやりがいにつながる。」

「これまでの自分は人の話を聞いても、否定的に捉えることが多かったので、気をつけたい。」

「もっと、人とのつながりやコミュニケーションを大事にしていかなければいけない。」

「チャンスはもらうものではなく、自分で作るものなんだ。」

「仕事は嫌いだけど、そこには続けている何かがある。そのことについて向き合わなければいけない。」

 

といった積極的な意見がたくさん出てきました。

登場人物の発言から自分のありたい姿を描く上での自分なりのキーワードを

たくさん拾っていたように感じました。

 

自分を何かと照らし合わせることによって、気づきが生まれるのだと思います。

 

次回は、『女性社員のキャリアデザイン』に関する教育の後半戦についてお届けいたします。

 

OBT協会 伊藤誠司



*続きは後編でどうぞ。
  
イキイキと働くために ~女性キャリアデザインワークショップ~ ②

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