2009年1月アーカイブ

今回の現場ドキュメントでは、1月に実施した「新入社員フォローアップ」教育についてお届けいたします。

 

4月の新入社員導入教育以来、10カ月ぶりにあった参加者(新入社員たち)の顔は
引き締まったように見えました。
しかし、4月はあんなに元気のよかった挨拶や行動の機敏さが
影を潜めてしまっていました。
4月の彼らや彼女たちは、わからないなりにも何か少しでも役に立ちたい
という気持ちや、できることはないかなと周囲を見ていた気がします。


●入社10か月目、二日間のフォローアップ教育で、何を訴求すべきか。

  彼ら、彼女たちが2年目になるにあたり、今回の二日で訴求すべきは1つ。
  「すべからく自分」ということ。
  スキルの習得やガス抜きではなく、「すべからく自分」ということに
  気づいてもらうために、
     ・入社10か月を振り返る
     ・自分達の課題を考える
     ・自分自身を知る
   などのセッションで進めていきました。


●「自信がない」
  

  自分達の課題を議論する際にでてきた課題が ・・ 「自信がない」。
  一見謙虚そうな言葉で、自分自身もきっと何度も口にした言葉「自信がない」。
  

       どうしたら自信ができるのか。言い訳になってしまう可能性がある。
       どういう基準で判断するのか。
      判断する力の一つは「経験」。これだけでは職人である。もう一つは「新しい情報、知識」 

      この2つが行ったりきたりしていることが大切である。

      今何をしなければならないか、それが分かるには全体が見れなければいけない。

 

  など、この言葉を使ってしまう自分に何があるのだろうということを
  トレーナーの投げかけの中でそれぞれが考えていました。

 

      「ビジネスの中では、自信がないは通用しない。
      みんなの純粋さは変わっていなくていいなと思うが、
      逆に仕事でもまれているのかというと、心配である。厳しい言い方だが。」

 

●「他人に映る自分」

   

   自分自身を知るために、事前に上司や先輩から記述コメントを取り
   それをヒントに自分自身を客観視していきます。

 

   書かれているコメントに対し、自分の状況を説明している参加者に
   同期の女性が一言、「言い訳していないで、認めようよ」。

 

   好意的なコメントであれば、謙遜しつつ、受け容れられるのですが
   そうでないコメントに対しては、そうはいきません。
   できていないという意見を受け入れることができず、
   言い訳や他者にそう映る理由を説明したりと、
   その意見を拒否している姿が他者にははっきりと見えます。


       「逃げることは、他でも同じことになるだろう。是非、超えていって欲しい。
        それが間違いなく進歩や成長につながっていく。
        積極性や自主性が足りないといわれていた人は、いつかまた出てくる。
        今はまだ大丈夫だが、本気になって修正することを取り組んで欲しい。」

 

全員が同じように何かに気づき、これから先もずっと持っていられる
言葉や思いを持って帰ることは難しいですが、
それぞれなりに、今必要なものは持って帰ったと感じます。

 

今回の現場ドキュメントでは、ある企業で実施したプロジェクト形式(複数回にわたって自社の現実の

課題に対する解決策をアウトプットとして導き出す。同時に、そのプロセスの中で参加者は学習する)

のトレーニングの現場をお送りします。

 

【最終回のレビューにて】

複数回に渡ってトレーニングを実施する際、毎回、レビューの時間を設けます。

 

何を学んだか、また、そこから現場で実践することは何か、

実践してみてどうだったか等をグループに分かれて振り返ります。

 

プロジェクト最終回(第10回目)のレビューでは、今までのトレーニング全体を総括しました。

 

(以下、受講生の声)

●結局、わが社の、わがグループのブランドとは何だったのか。

●市場の変化、ターゲッティングを考えていかないと対応できない。

●外部環境が変わっているのに同じやり方をしているのは後退。

●反省する場だった。考えが甘かった。

●ただ情報を得るのではなく、自分にとって何が言えるかが大切だと思う。

 

各グループの全体発表が終わると、トレーナーからはこのような投げかけがありました。

◎市場が変化してきたにもかかわらず、多くは自分のやり方に固執してしまう。

 行動とは、各人の「モノの見方、考え方」に規定される。

 例えば、自分の置かれている状況をどうとらえるかによって、取る行動は変容する。

 変わらなかったことによって生じるリスク、先送りしていることは、ある時点で、決定的になる。

 

【受講生の声から感じたこと】


オブザーブをしていて、受講生の観点、視野の広さはこのプロジェクトが始まる前と、

明らかに変わっているように感じました。まとめてみると、


・会社の問題、上司の問題と片付けがちだった諸々の問題はそれと同時に自分たちの問題であり、

 解決するのはその問題に気付いた自分であること


・解決に結び付けていくためには、自らが考え方を変え、行動していかねばならないことという点に

 気づきを得たのではないでしょうか。

 

ただ、人や組織が変わるのは時間がかかること。

この新しい息吹をどれだけ持続させることができるか、体質や風土として取り入れることが

できるかが、これから先必要なのではないかと思いました。

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