2010年6月アーカイブ

変化の激しい時代となりました。

高度成長期は何を作っても目新しかったわけで、商品(ハード)は何でも売れた時代
でした。しかし、その後、世間はモノ余りの時代になり少々の新規性では驚かない、
飽きの時代になりました。すると今度は、ソフト面を重視した時代がやってきました。
しかし、これからは、ハードとソフト両方を観る"全体を観る目"が必要となってきます。

ハードであれ、ソフトであれ自身の仕事の枠に囚われ、目の前の業務だけを深堀し
てしまうとタコつぼ化に陥ってしまいます。また、個人のタコつぼ化が組織全体の
タコつぼ化とつながります。全体を観て企業の進むべき方向、また戦略を考え行動
することが必要となってきます。

今回の現場ドキュメントは、今まで一度も外部団体のトレーニングを受けたことがない
企業様が始めて望む、OBT協会でのトレーニングをレポートいたします。

今回は、まず冒頭に"全体を観る目の重要さ""タコツボ化している自分"に気づかせる
ために、エクササイズとして問題を用意。

内容は・・・
出題分野は環境、スポーツ、政治、経済など、さまざまな分野からの抜粋した10問。
受講者に答えてもらいます。

実際日々新聞に出ている事柄や問題になっていることなどを集めた問題でしたが、
10問中の受講者の平均正解率は半分にも満たない2~3問でした。

受講者の感想は
・全く答えられなかった。いかに自分が世の中を知らないかが分かった。
・答えを聞くと知っている言葉だが、その意味を本当に理解していなかったことに
 気付かされた。

など、いかに情報に対して、また、時事に対して関心を持っていなかったかに
気付きます。

ここで、一番気付いて欲しいことは、ビジネスマンとしてこのような状況では、これから
の大変化の時代、勝ち残っていくことは出来ないということです。

たった10問の問題ですが、この10問から学ぶことは多く。問題の答えを知るのではなく、
この問題を解けないという事実を身をもって経験することに意義があると思います。


『知らないでもやってこれた』時代は終わり『知らなくては生き残れない』時代になってきています。

いかに、そのことを受講者に感じてもらえるか・・・
先にも述べたように、タコつぼ化に陥り、自分の仕事の領域しか見えていない、
と言うことにいち早く気づくことが出来るか。

この危機感が強い受講者ほど、トレーニング中の姿勢が変わってきます。

受講者は・・・
・同じ会社内で他部署のことを何も知らないで仕事をしていることがある
・もっと、他部署とコミュニケーションをとり、会社全体を観ていく必要があると感じた

と改めて、自身の視野の狭さを感じでいました。

仕事は、繰り返し行っているうちに、『慣れ』で出来るようになります。
しかし、慣れの仕事からは、視野が広がらず疑問や新しい発想などはでてきません。

変化の時代といわれる今、今までの『慣れの仕事』では、勝ち抜いてはいけません。
全体を観る目を養い、そこから深く考える力がこれからは必要になってきます。

6月に入り、OBT協会では次世代リーダー育成コースが順次スタートしています。

「次世代の経営リーダーを早期に選抜してリーダー人財を早期に育成すべきである」
という議論は非常に多く、従来型の階層別教育を削っても、次世代リーダーの育成
には力をいれてらっしゃる企業様も多くなっております。

業種・業界の垣根がなくなりつつある現在、新たなステージ、新たなルールでの
戦いに向け、昨年より三カ年計画で次世代リーダー育成をスタートした企業様の
コースが週末、スタートしました。

中期五カ年計画で描いた新たな戦いのルールで勝ち抜くためのキーマンの育成と、
変革に向けて会社全体を巻き込み、そのスピードを加速させることを目的としています。

この選抜メンバーに対する会社の期待は大きく、この選抜コースが始まる前に
キックオフが行われ、

  ・戦略を作り、ビジョンを掲げ、次の世代に展開して行くリーダーを育てるためにやる
  ・変革型の組織へ変えていく。それを引っ張っていってほしい
  ・変革の中心になって、徹底的にチャレンジしてほしい

など、会長、社長、役員から参加者に直接、この選抜コースの目的、メンバーへの
期待がしっかりと伝えられました。

その上で、昨年度の参加者約40名弱から選抜された10名程度の次世代リーダー
コースがタートしたのですが、スタート時から会場の空気が違っていました。
全て吸収していくんだとか、議論に遠慮なんかしないぞとか、このメンバーで一体と
なってやっていくんだ等。参加者の発言やメンバー間での関わりから、意気込みや
緊張感が後ろにいる私達にもわってきます。

昨年からの選抜メンバーとは言え、とにかく一体感があり、初回からエンジンが
かかっているので深い議論が行われます。また互いの参加姿勢に対しても
厳しい目を持っており、中途半端にやらないという緊張感があります。

通常、15回程の次世代リーダー育成が多いのですが、だいたい5~6回目位から
全体的にエンジンがかかってきます。しかし、今回の第一回目のトレーニング終了時
には、トレーナーに「○○の領域についても、勉強したい」「どういった本を読めばいい
のか」などの声が上がり、初回でここまでエンジンがかかっているのを初めて目にし、
期待と身が引き締まる思いで一杯でした。

今回の参加者の方々に、何故、ここまでエンジン全開なのか尋ねたところ
「会社が本気で期待してくれているから」「会社が変わるためには、自分達が
やるしかないから」そして「会社からの期待を絶対に裏切れない」など、
会社、経営層からの期待がしっかりと伝わっています。

そういうメンバーで構成されているので、初回から深く活発な議論、一体感が
生まれているだと思います。

今回の参加者1人1人にはミッションが与えられており、この選抜コースでの気づきや
学びを活かすという場が与えられています。そして、次世代リーダー育成に対する
経営層の方々のコミットメント。

社内で次世代リーダー育成をどう位置付けるのか、また社内と外部団体が一体となり
進めていくことが、成果に結びつけるための重要な要素だと、改めて実感しました。

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