2012年6月アーカイブ

「人が育つを考察する」のコーナーでは、今後、"人の成長・人の育成"について
様々な方々にお話をお伺いしていこうと考えております。

第一弾7月から4回に渡り、第一線で活躍しているビジネスマンの方々に
【人が育つ・成長する】という観点で、ご自身が歩まれた成長のプロセスを
語っていただきます。"育つ人と、育たない人の違い"は何なのかを探る!

また、9月掲載からは、実際に育てる側の方々にインタビュー
【人をどのようにして育てるか】をお送りさせていただきます。
是非とも、人財育成のヒントにして頂ければ幸いです。

つきましては、今号と次号でOBTが考える
「人が育つ・人を育てるということはどういうことなのか!!」を掲載しております。
是非ご覧ください。

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前回は、人がどのようにして育つのかについてお話させていただきましたが、
http://www.obt-a.net/web_jinzai_magazine/enterprise/2012/06/post-110.html
今回は、人を育てるという観点でOBT協会の考えを記載させていただきます。

 1.現在の自分をわからせること
人が育たない原因の一つに、自分の力(能力)を自己理解出来ていないという場合がある。それは、今の自分のレベルを正確に把握しきれていないということである。人は、自分のことについて分かっているようで、分かっていないことが多い。そこで、まず、それらを分からせる(知らせる)必要がある。なぜなら、自身の出来ていること、出来ていないことを自分自身で見直すことでしか、今の自分の力を知ることが出来ないからである。そこで重要になるのが、教える側の接し方である。最近、怒れない上司が増えているというが、出来ていない事をきちんと教えない限り成長はできない。なぜなら、出来ていないと指摘されて、初めて今の自分と向き合えるからだ。教える側は、時に厳しい役回りになることも重要である。

 2."知る"ということを教え、"分かる"までをサポートする
日々の仕事は、毎日の慣れで出来てしまう。しかし、より質の高い仕事を目指そうとすると、その背景を理解していることが重要になる。つまり、優秀な人財を育てるためには、物事の背景を理解させ、部分的なものではなく、全体像を見せる。そして、"本質を知る"ということ教えなくてはいけない。また、それらを教えればいいというのもではなく、その教えたことが本当に理解できるまで、サポートする。つまり、実際の経験の場を与える、または、一度で理解出来ない場合、何度も根気強く教えることが必要になってくる。よく、仕事の効率を考え、部下に教える(やらせる)よりも、自分でやってしまった方が早いという考えの人もいるが、それでは人は育たず、また、そういったことを続けると自身に負荷がかかり、最終的に仕事の効率を下げてしまうことがある。

 3.真理に基づく指導
教わる側だけではなく、教える側の教養も重要になる。
それは、何を教えるかではなく、誰が教えるということである。
物事の本質を理解しておらず、作業だけが早く得意な人が人財の育成をしても、作業人間が増えるばかりであって、物事の考え方、流れ、つながりなど本質の部分を教え込むことは出来ない。つまり、教える側がきちんと普遍的な真理や物事の背景を理解していなければ、教わる側がより深い考え方を得ることはなかなか難しいのだ。物事の本質や背景を理解しない限り、いくら作業・手段的なことが得意であっても、他の仕事に変わった時、使い物にならない。

 4.会社全体で人財を育てる
人の育成は、上司・部下2者間の間で捉えられることが多い。つまり、上司に任せておけば人は育つと思っている人が非常に多いのだ。しかしながら、本来、人財育成は会社が中心となって行うものである。なぜなら、個人でいくら人を育てようと思っていても、限界があるからだ。組織内の異動や経験の場の提供などは、人財育成のために、会社が率先して行わなくては成し得ないことである。つまり、人財育成には企業全体での積極的な介入が必要になるからだ。


上記で上げたように人を育てるためには、育つ側の構え(前編参照)の問題もあるが、育てる側の問題もかなり大きなウエイトを占めていることがわかる。そして、育てる側で最も大事なことは、すぐに成果を求めないことである。企業が人財育成に投資をする際も、やればすぐに成果に結びつくと思っている人がことのほか多い。しかし、人は急には育たない。様々な経験を少しずつ積み重ねていくことが必要なのである。中途半端な教育ほど、無駄になってしまうということを肝に銘じ、長期的に関わっていくことが重要になる。



                                              OBT協会 菅原加良子

「人が育つを考察する」のコーナーでは、今後、"人の成長・人の育成"について
様々な方々にお話をお伺いしていこうと考えております。

第一弾7月から4回に渡り、第一線で活躍しているビジネスマンの方々に
【人が育つ・成長する】という観点で、ご自身が歩まれた成長のプロセスを
語っていただきます。"育つ人と、育たない人の違い"は何なのかを探る!

また、9月掲載からは、実際に育てる側の方々にインタビュー
【人をどのようにして育てるか】をお送りさせていただきます。
是非とも、人財育成のヒントにして頂ければ幸いです。

つきましては、今号と次号でOBTが考える
「人が育つ・人を育てるということはどういうことなのか!!」を掲載しております。
是非ご覧ください。

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人が育つということは

いくら教えても育たない人、何も言わないでも育つ人、一体その違いは何なのか...。
OBT協会の見解は

 1.育つには、まず自らの構えが必要
人には各々の思考がある。例えば、仕事の仕方・生き方・考え方・感じ方・思い・志等、今までの経験や体験で人それぞれ違った構えを持っている。それは、その人の考え方や感じ方で何を蓄積してきたかによって変わってくる。そして、この構えが人が育つ根幹の部分であるとOBT協会では考えている。それは、この構えが自身で明確になっている人ほど、自分の将来をどうしたいかをきちんと持っており、進むべき道を目指して、計画的に行動しやすい傾向にあるからである。それは、自らの在るべき姿・在りたい姿を軸に物事を考えられるからだ。その場合、自身の足りない部分を自覚し、補い・吸収し成長しようとする。構えは、生まれ持ったものもあるが、人が成長して行く中で培っていくものもある。また、大きな失敗などで出来上がる物もある。どちらにしろ、きちんと自分と向き合っている人ほど構えは強くなっていく。

 2.分かるという領域まで経験を積むこと
人は、何か本で読んだことや他人から聞いた情報を得ることで満足しがちだ。しかし、本で読んだ、他人から聞いた話では、ただ単にそのことを"耳にした・知っている"ということであって、その本質までを分かったことにはならない。本当にそのことを理解する(分かる)には、実際に何度か経験してみる。また、その経験から新たな考えを見つけ出し、繰り返し、更に経験を重ねることである。それが自らの学習になっていくのである。
特に失敗や挫折、或いは収入がなく生活出来ない等の経験が成長する為にはこの上なく好ましい。

 3.情報をキャッチし、考える力
人は興味があることについては、自ら調べ、より多くの情報を収集しようとする。然しながら、興味がないことについては、アンテナが立たず素通りしがちだ。
学習能力の高い人は、現状を打開するために新しい考え方ややり方を絶えず求めているため様々な分野のことに関心が深い。そして、自分と無関係な分野で生じている問題が自分の問題の解決に役立つことを知っているのである。つまり、自分に直接関係することにしか関心を持たない人とでは明らかに学習能力に大きな差があるので成長へのポテンシャルは言わずもがなである。
例えば、本や周囲で起こった出来事を見て、自分と関連づけて見れるかどうかの違いである。つまり、その内容の中に一度自分を入れてみて、そこから何がいえるかを考えようとするかしないかの違いである。
目の前で事故があったとする。それを見て「怖い、自分も気をつけなくては」で終わるのではなく、「何故、ああいう事故が起きたのか。自分もああいったことになっていたかもしれない。この事故は、どうすれば防げたのか」まで考え、人の経験を今後の自分の教訓として活かすことが学ぶということである。

 4.主体性が重要
成長には何事にも主体的であることが重要になる。人からいわれて行動するよりも、自らの意志・判断に基づいて行動する方が人は多くの事を学べる。それは、気付きが多くなるからだ。自分のなりの考えを十分に持って行動をすれば、微妙な不具合にも気付くことができ、人よりも多くの気付きを得られる。

上記であげてきたように、育つ人と育たない人の違いは自らの構え(考え方、受け止め方)によって大きく変わる。構えは人の根幹の部分である。この部分をきちんと自分で理解することで、人は成長することができる。他責にしてしまう自分、内向き傾向な自分であっても、それを変えようという気持ちが少しでもあり、一歩でも行動出来れば人は変われる。そのためには、まずは自分を知ることである。自分を知るのに一番早いのは自分以外の何かと比べ、自分を客観的に見て自分の在り方を確認することである。例えば本や仕事、他人などと自分を対比して、今の自分を客観的に見てみる。すると今まで見えなかった物が見えてくる。比べることで気付くことがたくさんあるからだ。ゆとり教育で、"他人と競わせない"という考え方、"個性を大切に"という考え方も一理あるが、"闘争心や人より少しでもいい暮らしをしたい"等という気持ちを持つことが、人の成長にとって最も必要である。そして、成長しない経済日本にあって、これからの暮らしは自らの頑張りでしか勝ち得ることは出来ないということを自覚し、自分事として危機感を持つことが、成長への起爆材となるのではないだろうか。

後編では、"人を育てるとは"についてのOBT協会の見解を掲載致します。


*続きは後編でどうぞ。
  人が育つ・人を育てるとは(後編)




                                              OBT協会 菅原加良子

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