さまざまな企業がカンパニー制に期待するのは、
これまでに組織の限界を打破したいと考えるからです。
カンパニー制組織は、事業部制組織をさらに分化発展させた組織形態です。
カンパニー制組織は、あくまでも一つの会社の組織ですが、社内的な基準を設けて
社内だけで通じる別会社組織として運営されます。
資産や利益等を明確に分けるところから、通常の事業部制に比べて責任が明確に
なります。
このようにして組織の独立性が高まっていくことは、人事戦略面からみれば、人事・
貸金体系の相違や慣習の相違などからくる無用の摩擦を回避する効果や、特に、
本業への直接的な影響を回避する効果が期待できます。
一組織であると人事、賃金体系について一定の制約を受け、有能な人材を確保する
ことが困難な場合、組織の独立化によって、賃金の決め方や賃金水準を変えたり、
年功序列重視と業績重視の両立も容易になることなどが考えられます。
具体的には、適切な業績管理制度を整備すること、およびコミュニケーション
プログラムにより、社員のモラール向上を図っていくことが必要です。
特に経営を実際に実行していく「人」に関しては以下の点に考慮する必要があります。
①パフォーマンスの良否を測定・評価する仕組みが必要であり、それらの評価基準は
グループ/カンパニーの経営目標とリンクしたものでなければなりません。
②カンパニー制導入は従来の管理スタイルからの大きな転換ですから、変化に対する
「抵抗」と戸惑い」が必ず伴います。それらを最小限にするために、社員とのコミュニ
ケーションの向上に努めることが大切です。
「抵抗」と戸惑い」が必ず伴います。それらを最小限にするために、社員とのコミュニ
ケーションの向上に努めることが大切です。
③各カンパニーの経営を実行・管理していく経営幹部クラスの人材が非常に重要です。
カンパニー制は、組織の活性化の面から事業部制よりは経営者意識の醸成、意思
決定のスピードアツプにはなりますが、あくまでもバーチャルな(仮想)分社です。
当然次の進化形態として、名実ともに分社化し、本社がその株式を保有して全体的
戦略と全体的管理を行うという持ち株会社制になります。
一般に言われている分社化のメリットには次のようなものがあります。
①分権化の推進
分社化されると独立した法人として決算が行われ業績管理が徹底されます。
②コスト削減
別会社となることで親会社と異なる人事・賃金体系を採用しやすくなり、人件費を
削減することができます。
削減することができます。
③意思決定の迅速化
企業規模が縮小し、経営の効率化が図れるということが指摘できます。
④事業リスクの遮断
本業とは異なる新規事業を展開するときに、リスクを遮断できるという効果があります。
⑤雇用の受け皿
中高年の雇用の受け皿として子会社が活用できます。
一方、分社の最大の問題点は、分社化のデメリットとして、
①統一された理念と経営戦略のもとに各事業を遂行することが難しくなります。
②セクショナリズムに陥りやすく、相互の人事ローテーションが難しくなります。
③管理・間接部門の経費が増え、資金管理を集中しないと資金の回転が悪くなります。
また、子会社の意思決定に親会社が嘴をはさんだり、子会社の経営者に十分な
経営能力が備わっていない場合には、別会社化したメリットは発揮されません。
また、子会社の意思決定に親会社が嘴をはさんだり、子会社の経営者に十分な
経営能力が備わっていない場合には、別会社化したメリットは発揮されません。
分社化したものの思ったような効果がなく、本体への吸収、子会社同士の統合、清算
などに追い込まれるところも少なくありません。
以上