現場ドキュメント: 2008年11月アーカイブ

「官から民へ」
 この大きな潮流の中、民間企業・NPO法人等との競争に打ち勝つために、人財の革新と組織変革に

取り組む地方公共団体や外郭団体があります。

 

【顧客から選ばれるために】
プロパー職員の管理職候補の方々を対象に、「顧客」「競合」「わが社」についての課題を検討し、

顧客から選ばれるために何をどうしていくのかをトレーニングの中で議論し、明確にしていきます。

 

トレーニングのステップの中で、「我々の事業は何か」、「顧客」「競合」に対して課題は何か、

「サービス」とは何か、それぞれについてメンバー間に共通の認識ができた次のステップでは、

「わが社」の課題についてのステップに進みます。

 

■我が団体の課題とは
事前に全職員に実施したアンケートをもとに、我が団体の現状を明らかにしていきます。
 ・我が団体の進む方向が明確化か
 ・現場の声は、経営層に届いているのか
 ・組織間の協力関係は良好か
 ・仕事にやりがいを感じているか
 ・団体全体の課題を具体的にどう感じているか
 ・所属する組織の課題を具体的にどう感じているか

のアンケート結果を題材に、我が団体の課題について共有化を図ります。

 

議論の中では、決裁権の所在や様々な立場の人が混在する組織であることなど、

上部団体と我が団体という関係から派生する様々な課題が多くあがってきます。

 

■自分たちにできること、自分たちがやるべきことへの議論
あれが問題だ、これが問題だ、こういう所与の条件だからうちでは難しい・・・。
この議論のループから抜け出すために、繰り返される評論的な議論の姿を

トレーナーが参加メンバーにフィードバックしていく中で


参加メンバーから、
 ・あれがダメ、これがダメと言っていても進まない
 ・業務を実質的にまわしている自分達だからこそ、考えられることがある
 ・実務だけではなく、自分達が力をつけていかなければいけない
など、ポツリポツリ意見の変化が見られます。

 

議論が一歩進んだように見えては、相反する意見が出ると変えていくことへの難しさに

議論が戻ったりと、議論の方向性が行ったり来たり。
「言っていることはわかるけど・・・」「とは言っても、コレコレの理由で難しい」という意見は、

議論の場を支配しがちです。しかし、議論を止めずに摩擦や葛藤を繰り返していきました。

 

長い議論の中で、「変えていくのは自分達なんだ」と舵をきる局面があります。
粘り強く議論を重ね、諦めない思いの強さが「難しい」を突き破る。

 

第三者の立場では"変化"は当然と思えるものであっても、当事者の立場になれば

「難しい」と考えてしまうことは多いものです。

自分の日常でも、ここで行われているように議論や対話の重ねられているかと

振り返らずにはいられませんでした。

 

【官から民へ】


■1999年に公布され近年の都市再開発に活用されているPFI法。
 また、2003年に施行された公の施設の管理・運営を
 法人その他の団体が代行することができる指定管理者制度。
 これらは公営組織の法人化・民営化の急速な進行を意味する。
 
 「官から民へ」この大きな潮流の中、民間企業・NPO法人等との競争に打ち勝つために、
 人財の革新と組織変革に取り組む地方公共団体や外郭団体があります。
 

【現状認識】


■まずは参加者が「自分たちの現状をしっかりと認識していくこと」から
 トレーニングはスタートしました。(参加者は管理職候補)
<議論の観点-例>
・現在の競争環境をどう考えるか
・顧客や競合をどう考えるか」。
・その上で、我が団体が民との戦いに勝つために
 自分達の何をどう変えていかなければいけないのか。

 
【我々の事業(仕事)とは何か?】


■現状を認識する、それは「我々の事業は何か」という議論にも波及します。
 
 ・サービス業
 ・公共の利益
 ・価値を(市民と)共同で創る等々、

様々な意見が出されましたが、議論の中で、
「自分達の事業は"サービス業"である」という意見に集約されていきました。

「我々の事業(仕事)とは何か」
 この"目的"のコンセンサスが取れていけば、分散しがちだった
 我が団体に対する個々の見解が一つの方向性に向けて流れ出し、
議論はより深まりました。

・どこに軸を置くかによって、やることが変わる
・サービス業と定義をするなら、利用者から支持されることが重要である。
・決めるのは利用者が決める!一点それだけである。
・利用者から支持が得られない施設は民間だろうが、公共だろうが存在できない。

 

【俯瞰することの重要性】
オブザーバーとして、こういった場面を見ていると、
当たり前のことが議論されているように思えてしまいます。

しかし、第三者の立場で考えれば一見当たり前のことが、
我が社の議論となった時に、簡単にそこには辿り着けない。

「いつまでに、何をどう変えていくのか」の議論は多くなされますが、
「我々の事業とは何か」、「何のために変えるのか」等の
本質的な議論はショートカットされてしまう。

自社のこと、自分のことは一番自分が見えていない。
これだけ市況が激変する現在ならなおさらのこと。

自分の毎日を振り返りながら、第三者の立場で見れば当たり前の事を、
日常の中で実践することの難しさをしみじみと実感しました。


*続きはこちらにどうぞ。
  
【変わる教育の現場】民との戦いに勝つために③

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