現場ドキュメント: 2009年9月アーカイブ

世界情勢が目まぐるしく変わるなか、日本も激動の時代を迎えています。
人も会社も「中流」が消え、上流と下層の差が大きく開く二極化社会。

 

今回はそんな中、生き残りをかけ、新たな事業を立ち上げようと
必死に考えている企業のトレーニングをご紹介させていただきたいと思います。

 

"昨日と今日は異なる。ビジネスは時間的な流れの中で動いている"  その変化を敏感に感じ取れるか?
 

1.変化を察知し、瞬時に行動に移す
2.周囲の動向を見てから、いよいよ動き出す
3.気付かない

 

変化を感じ取り、どのように対応するかは人、企業によって様々です。

普段から、市場の動向を注意深く見ているか。
常に危機感を持ち、考える事をしているか。

 

それにはまずその物事を「自分の頭で考える対象として捉える。そして、正しい考え方を身につけていくこと」

その様な話から始まった今回のトレーニング。

 

今回、受講者の方には、事前に自社の新規事業案を考えて頂き、発表していただきました。

 

【他社との差別化を図り、自社のこれからを担う新規事業案】

・少子高齢化社会を意識したもの
・環境を考えたもの
・その他

 

など、現代社会が問題として抱えている不安に対し、自社の強みを生かしたサービスを!との案が多くあがります。


しかし、質疑応答になると

「ターゲットをもっと絞った方がいい」
「事業的には面白いのだが利益は見込めなさそうだ」
「データが少なすぎる」

など、自身の考えの浅さに気付く場面も。

 

また、なぜこの事業を考えてきたのか?
そこに、強い思いはあったのか?
等の問いに再考の余地ありと感じている受講者の方が非常に多く見受けられました。

 

受講生からは自然と
「漠然と考えていた。人を納得させるにはもっと打ち込んで考えなくては」
「夢がないと周りから共感を得ることが出来ない。それではこれから考える新規事業案を形にする事は出来ない」
「話を進めて行く中で、他部署間との係わりの薄さを改めて感じた」
などの声が。

 

自社の新規事業を考えるという事は、まずは現状を客観的に認識し、正しい考え方を基に

どれだけ深く考える事ができるか、そして、"実現をさせたい"という想いをどれだけ強く持てるかが、重要なのだと感じました。

 

【事例】 : ビジネスプロセスの再構築

 

今回の現場ドキュメントでは「わが社をどの様な会社にしていくのか」というテーマに基づき、
実施したトレーニングをご紹介いたします。

 

「強み」と「弱み」は表裏一体。人も企業もある環境下では
「強み」として評価された能力も、局面が変われば一変してしまいます。

 

ある事業領域においてトップクラスを誇っていた高い技術力が、
異業種からの新規参入、競争環境の変化等によって、
より上位の手法に代替され始めている現状が同社にありました。

 

この状況下で「わが社をどの様な会社にしていくのか」というテーマに挑むのは、
管理職手前の実務の中核メンバー。

 

「ユーザーの業界再編も重なり、以前のルールが通用しない」
「価格で負け始めている」
「今のままではこれから先、立ちいかなくなる可能性が高い」

 

現場に近いメンバーは顧客・市場の評価を既に肌で感じ取っていました。

 

「これから先、わが社はどうあるべきか」 

 

危機感があり、前に出るメンバー...しかし、初めこそスムーズだったものの

 

「価値の提供先はどうすべきか」
「その提供の仕方はどうするのか」
「今、できることは何か、その実現性はどうか」

 

と議論が進むにつれて、やがて沈黙が続き、突如ブレーキがかかりました。
自分たちがどのような状況に陥ったのか...

 

メンバーが気付いたのは「手段論を積み重ねていた」ということでした。

 

「解決策の整合性を取ること」に集中していたがために、経験則を脱しきれず、
現状の延長戦上で"表面的なレベル"だけを整えようとしていた自分たちに気付いたのです。

 

この事に気づいたメンバーは、学習を積み重ね、観点を引き上げながら、
「我々は何を実現する会社であるべきなのか」
「どのような価値を提供していこうとしているのか」
「そもそも評価される価値とは何か」という深く、本質的な議論を
その後、何度も何度も積み重ねます。

 

形式(手段)にこだわると、目的が見えなくなってしまう‐
事業もトレーニングも同じように思えます。

 

アウトプットの整合性が高いに越したことはありませんが、
本当に重要なのはそれを生み出す人財がどれだけ変化したか。

 

自社・自分の現実を題材に、その解決策を導くプロセスの中で、
・頭に汗をかきながら、より質の高い考え方、モノの見方を身につけること
・また、実現にむけて自分の思いの強さを試すこと、そして
 限界と感じている向こう側に本当の限界がある事を実感することがトレーニングにおいて、
重要なのだと感じました。

 

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