現場ドキュメント: 2011年6月アーカイブ

今回の現場ドキュメントは、日々の営業活動から伺える
「企業の課題」についてお伝えしたいと思います。

様々な企業を御伺いする中で、最近特に多く感じる課題の一つは、

会社側(企画部門)が導入する制度や仕組みが、
現場の末端まで浸透せず、実効が上がらない。 という事です。

「新たに中期経営計画を立てたけれども、現場の末端まで浸透しない」
「人事制度を改定したが、運用が上手くいかない」等々。

また、お話を聞き進めていくと、「企画側の立てた施策の内容が悪い」
「運用しない現場に問題があるのでは」と、
双方のギャップが浮き彫りになることも多いです。

「どちらが良い、悪い」という事ではありませんが、多くの場合、
導入する施策の整合性には高い関心が寄せられるものの、
運用する人や組織にはあまりフォーカスされていないことが、
本質的な課題の一つに挙げられます。

どれだけきれいな絵を描いても、実践するのは感情を持った人間。
納得感がなければ、進んで実践しません。

一方で「この人に聞く/人を大切にする経営特集」でご紹介している
二社を見てみると、共通点があります。

それは両社とも「人・組織の活性化」を根底に置いて、
制度や仕組みを独自に構築している点です。

-会社が社員に合わせる 
     (サイボウズ株式会社 代表取締役会長 青野慶久さん)

-人を仕事にあわせるのではなく、仕事を人にあわせる
     (日本理化学工業取締役会長 大山泰弘さん)

両社とも「社員が活き活きと働ける環境」を創りだすことを目的に、
制度や仕組みを独自で創り、成果を上げています。

-制度や仕組みは誰の為のものか?

まずは運用する側、人・組織の状態に目を向けること、
その上で施策そのものではなく、
全体としての整合性を突き詰めることが、
実効を上げるための近道になるのだと感じています。


最後に、OBT協会では、HPのリニューアルに伴い、
顧客企業様と一緒になって取り組んだ
経営課題/組織課題の解決事例を、刷新しております。
是非、こちらもご覧頂ければ幸いでございます。

◆Case01経営理念や戦略が末端まで浸透しない

◆御問合せ・無料御相談はこちらから



入社数年経つと日常の業務にも精通し、自己の能力が上がっていると感じる。
しかし、日々、ビジネスをやっているとその部分での嗅覚は増すが、
その一方で視野が狭くなり視界が固定してしまう。"社員の蛸壺化"である。

主体性、構想力、全体観などが若手・中堅社員にも必要とされる現在、
社員の視点を転換し、視界を広げるためには、できる限り早い段階で、
自社事業や自分の仕事を捉えることができるビジネスセンスや幅広い思考力を
持った人財の育成が重要となっている。


● 我が社をどう見るのか

業種・業界が違っても、外部環境(世の中や市場の変化、また経済・
ビジネスのトレンド)は遅かれ早かれ、自社に影響を及ぼす。 

スキルや知識も重要であるが、
世の中の流れをどう見るか、我が社、自分を取り巻く環境をどう見るのか。
これらを自分はどうしいきたいと考えるのか。"見え方""考え方"がまず先であろう。

0607-図①1.jpg


● 社員へのアンケートの結果、要望が一番多かったのが、「視点・視野の拡大」を
  テーマにした「経済・ビジネスのトレンドトレーニング」であった

選択した理由として
・ この会社を出たら通用しないのでは
・ 毎日、目先の事ばかりに追われて、このままでいいのだろうか
・ 業界や自社以外の事はよくわかっていないのでは
など、不安や危機感に対する意見が多数であった。

<目的>
環境変化が激変する今日、経済の観点からビジネスやビジネスモデルを捉え、
ビジネスのメカニズムを理解し、視野や視点の拡大により、全体観を培う。 


<トレーニングの全体像>  3日間で実施 

0607-図②1.jpg

<トレーニングを終えての声>
・ そもそも自社事業が衰退するという考えは全くなく、10年後の姿など考えたことも
  なかった。本業が衰退していく中、廃業に追い込まれる企業と、事業構造を大きく
  変えて新たな成長を遂げている企業を学習し、自社に置き換えた時に、これまで
  考えてこなかったことに対する危機感が沸々と湧き起こってきた。企業もだが、
  自分が変化しないことは大きなリスクである。

・ 日々の業務に関しては、正直、自信を持ってやってきた。しかし、この3日間を終え、
  慣れと能力を勘違いしていたように感じる。ビジネスマンとしての一般常識や世の
  中の大きな流れ、他の業界のことなどに対する意識が低く、その事により、日常の
  業務に関しても視野が狭くなっている可能性を痛感した。

・ マクロとミクロの両方の視点を持って、今後の製品開発をしていかなければ、我が社
  の生き残りは難しいと考える。社内で引き続き、この議論を続けていきたい。


ウェブページ

Powered by Movable Type 4.1

このアーカイブについて

このページには、2011年6月以降に書かれたブログ記事のうち現場ドキュメントカテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは現場ドキュメント: 2011年5月です。

次のアーカイブは現場ドキュメント: 2011年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。