-現場との温度差-
研修実施に向け、担当の方とお話をしていると、「何度言っても現場は
変わらない」「現場から、本社でどうにかしてくれって言われるんですけど、
こちらは現場の事は、よくわからないですし...」というような声をよく聞きます。
「何度言っても現場が変わらない...」
これは、指導を受けても、結局のところ、現場のスタッフの腹に落ちていない
からではないでしょうか?
-本に載っていない、あんなこと、こんなこと-
「手続きが終わり、お客様がお帰りになったので、次のお客様の応対を
始めたところ、帰られたはずのお客様が用を思い出し、戻ってくる事が
よくあるんです。そんな時、どうしたらよいのかわからなくて...」
先日、現場の方からこの様な相談を受けました。
現場ではよく見られる光景ですね。ただ、現場にいなければわからない
ことでもあります。
こんな時の対応の仕方は、現場によって変わってきます。
【手が空いているスタッフがいる場合】
お戻りになったお客様の応対を他のスタッフに引き継ぎ、速やかに自分は
対応中のお客様の応対に戻る。
【他にスタッフがいない場合】
お客様に少しお待ちいただけるよう丁重にお願いをする。その際には
「しばらく待とう」とお客様が思えるように言い方の工夫も必要です。
どちらの場合にも、お客様が納得できるような対応をするにはどうすべき
なのか、スタッフが腹落ちするようにその場その場で説明をしていきます。
様々なケースにおいて、一般的な対応、マナーを教えるということは
簡単ですが、お客様との対応の際には、「その会社がどんな基準でお客様
対応をするのか」「お客様と接する時に何が大切だと考えているのか」によって
も対応が変わってきます。また、同じ現場でも時間帯や、出勤人数によっても
答えは変わってくるのです。
そして、これらを考えた上での指導が現場のスタッフの腹に落ちるのだと
考えます。
しかし、このような現場の問題は「経験してみないとわからない」事が圧倒的に
多いのです。
そのため、本社・担当者と現場の温度差、考え方の違いがうまれ、冒頭に
述べたような担当者の声がでてきます。これは、どの企業にもある問題です。
-橋渡しの役目-
私は、「自分の経験を活かし、問題を一緒に考える」をモットーにしています。
私自身、トレイナーとしての活動を行うと共に、店舗や様々な現場の立ち上げ、
フォローをやりながら自らもスタッフとしてお客様に接し、問題を解決することで
様々な現場の経験を積んできました。
だからこそわかる職場・現場の声があります。その経験を活かし、「職場・
現場の声を聴き」研修企画担当側と現場の橋渡し役になりたいと考えて
います。
またこれは、外部の人間だからこそスムーズにできる事の一つなのでは
ないでしょうか?
-共に考え、わかりあうこと-
基本となるマナーや、CSの考え方をいくら紙に書いて見せても、
くどいくらいに説明しても、「その職場・その現場」に合うものでなければ、
効果は表れないでしょう。
まずは、「問題を抱える職場・現場を知り、共に考える」その姿勢を持つ事が
大切ではないでしょうか?
ある金融系会社のカウンター業務の方から現場でのお話を聞いていたところ、
「今まで、いくら上司や会社に言っても伝わらなかった事が、わかってもらえて
嬉しい!!」と、研修の企画に対して協力姿勢を示していただくことができました。
「わかりあう」
これができると、問題解決は意外と早いかもしれませんね。
ただ、それが難しい事は今までの経験上、よくわかっています。
そんな時、外部の人間として「橋渡し役」を担うことも私の役目だと
思っています。