2008年9月アーカイブ

経営統合やM&A、政治・技術・医学など、あらゆるところで変化が起きている。

その変化は、間口の広さや奥行き、またスピードの速さなどの点においても、競争激化となっている。

 

官から民へ

広義の民営化の一手段として、1999年に公布され近年の都市再開発に活用されているPFI法。また2003年に施行された公の施設の管理・運営を、法人その他の団体に代行ことができる指定管理者制度などは、急速に進行した公営組織の法人化・民営化の大きな変化である。

 

 

「官から民へ」の大きな流れの中、経営形態が変化し、民間企業・NPO法人などとの競争に打ち勝つために、人財の革新と組織変革に取り組む地方公共団体や外郭団体があります。

 

教育の目的

初期段階では、『民間との戦いに勝つために』管理職候補に教育を実施したことがないので研修を実施したい、また管理職としての基礎の教育に顧客満足の向上というテーマを取り入れたいということでした。

 

管理職としての基礎教育を実施すれば、顧客満足の向上について教育すれば、現実の場面でできるというものではありません。「ものの見方・考え方」が重要なのです。

・この組織をどうしていきたいのか。

・この組織の中で何をしたいのか。

・どういう顧客に対して、どんな価値を提供したいのか。

・どういう考え方で、ビジネスをやるのか。

・どういう考え方で、マネジメントをやるのか。

・どういう考え方で、仕事をするのか。

     ・

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検討を重ねる中で、『我が団体が民との戦いに勝つために』、「現在の競争環境をどう考えるか」「顧客や競合をどう考えるか」。その上で、自分達の何をどう変えていかなければいけないのか、変えていくべきなのかを明確にしていくトレーニングがスタートしました。

 

議論1.我々を取り巻く環境の変化を考える

少子化による世界最速の人口減少は重要減少となり、持続的な縮小圧力は競争激化となる。我々を取り巻く需要減少の例を他業界も含め、見ていきます。その中において、公共の病院や図書館などの公的施設を民間が運営している例などを提供し、議論を重ねていきました。

・これだけ需要が減少していたとは知らなかった

・自分の仕事周辺には関心が深いが、世の中で起きていることに関心を持っていなかった

・この組織の仕事は民間には無理だと思っていたが、そう言い切れない

・お客様のためにと日々考えてきたが、自分の業務内のことで発想していた。

・このままでは、次の競争にはとても勝てない。この機会に皆で真剣に考えたい

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   ・

など、日常の業務の中では目の前のことばかりだった自分や、組織全体のことを考えたり、自ら考えることを十分してこなかった自分を振り返り、危機感を言葉にしていました。



*続きはこちらにどうぞ。
  
【変わる教育の現場】民との戦いに勝つために②

818日付の日経新聞によれば、300人以上の企業の42%が選抜型の人財育成を実施し、

実施予定を含めるとその割合は7割近くに達するとのことでした。

また、同記事では企業における研修などの年間予算は前回調査から40%減少したとあり、

実施期間も短期化しているとも記述してあります。

 

実施割合と年間予算の削減の数字上だけを見れば、

"研修が薄まった"という見方もありますが、

薄まったのは、"一律"や"万遍無く"という今までのパラダイムであり、

そこには、「生き残りをかけて、賭けるところに賭ける」という

企業側のシビアなメッセージがうかがえます。

 

以前、次世代リーダーの育成を目的とした教育のお手伝いさせて頂いたときのこと。

 

10数回にわたるプロジェクトのカットオーバーにて、

トレーナーから以下の様なメッセージがありました。

 

‐会社が費用を出し、社員の方が勤務している間に、業務時間を割いてまで

皆さんが参加されるこの場は、ありていの"研修"では済まない。

取り組むのは我社の課題です。

我社で起きている現実の課題に対して取り組むという事は、

"会社をどうするのか、組織をどうするのか"という問いに対して、

会社や経営陣、上司ではなく、皆さん自身が"当事者"となって

軸を持ち、解決策を考えるということです‐

 

マネージャーになってから「管理職の役割とは何か」という研修を一律に実施した場合と、

自社の経営課題・組織課題という大きなテーマに対して、意志有る者に早期から

「自分が上位層についたらどうするか」を考えさせる場を設けた場合とでは、

ある時点における組織のレベルの差は決定的なものがあります。

 

勉強の時間か、現実のビジネスで生き抜く術を思索する時間か。

「一律」の時代が終焉を迎える中、

企業側が求める教育の現場が、変化しているのを実感します。

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