現場ドキュメント: 2007年2月アーカイブ

2007年もあっという間に2ケ月が経ちますが、3月で年度末をむかえる企業様の多くが、教育・研修について来年度の予定を具体化しつつあります。
日々、様々なお客様とお話をさせていただく中で、最近は"不祥事を起こさない組織作り"についてのご相談をいただく機会が大変増えてきました。またその他にも、以下のような事を組織の課題として捉えていらっしゃる企業様は大変多いです。

・経営理念が浸透しない。
・ボトムアップを目指しているが、下からは新しい意見がなかなか出てこない。
・仕事の幅を広げてもらいたくてチャンスは与えているのに、自分自身で仕事の内容を制限してしまっている。
・マネジメントがきちんと機能していない。

企業ごとに異なる風土やマネジメント、制度などが大きな影響を与え、上記のような問題を引き起こしているため、課題の解決策は企業様によって全く異なりますが、効果的な手法の一つとして、私たちは"メタ認知"という方法を研修で用います。

※メタ認知...人間が自己を認識する場合において、自己の思考そのものや行動そのものを対象として把握し認識すること。

自分を客観的に見る・知るということです。

自分の現実を知らなければ、意識を改革することはできません。また、個々の意識が変わらなければ、会社が変わることもありません。しかし"自分を知る"というのは、良いことだけではなく、今まで目を背けていた点にも向き合わなければいけないため、思った以上に難しく時間がかかることでもあります。自分が思っている"自分"や"会社の強み"が、「思っていたことと違う」ということが、多々あるのです。そして、人も会社も経験が豊富で自信があり、過去の成功体験が根強くあるほど、「思っていたことと違う事実」を受け入れることは容易ではありません。様々な企業様で研修をさせていただく中で、こういった場面に出会う機会が多く、その度に"私自身の価値観は、どうだろうか"と自分自身を振り返ります。

最近は、"従業員満足度調査"を実施する企業も増えていますが、ある会社ではそれらを、「社員の不満に少しでも早く気付き、運営を改めるための"メタ認知の材料"」として用いているケースも多いようです。

4月からの新しい年度に向けて、3月は1年間の総括をし、次の期へ向けて準備をする時期でもあるかと思いますが、新しいスタートをするにあたって"今の自分を知る"ということは、とても価値のあることだと思う日々です。
                         OBT協会  伊藤 みづほ

先日、「女性がさらに活躍できる環境を実現するために」というテーマで具体的に取り組んでらっしゃる企業様のプロジェクトの会議を、オブザーブさせていただきました。女性社員十名程で構成されたプロジェクトで、"具体的に何をどう変えていくのか"等を会社に提言するための会議を積み重ねています。

昨年の現場ドキュメントで「女性が活躍できる・活躍する」ために、
①企業としてのインフラ(仕組みや制度など)  
②企業や組織としての風土(女性に対する認識など) 
③上司のマネジメント(マネジメント観の変革)  
④女性の意識(自分の在り様)
の全てに取り組むことが重要ではないかと述べさせていただきましたが、"意識改革"の難しさを改めて痛感しました。

内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」の『女性のライフサイクルに対する意識の変化』では、女性が職業を持つことについての考えについて、男女ともに「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と考える「継続就業」支持が「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がいい」と考える「一時中断・再就職」支持を2004年に初めて上回りました。
女性の回答で、「継続就業」支持が最多になったのは、調査開始以来、初めて。これは、この考え方に賛成する40歳代・50歳代の女性が大幅に増えたことによるもので、世代を超えて、生涯を通じて女性が職業を肯定的に捉える意識が女性の間でも増加しているといえると報告されています。
一方、現在育児中の者も多いと思われる30歳代の女性の回答では、2004年の調査でも「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がいい」の回答が43.3%と最多になっており、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」は40.5%となっていました。

「女性が働きやすい会社」「管理職志向」などの各種調査が発表され、「ダイバーシティー」「ワーク・ライフ・バランス」に取り組む様々の企業の情報も多く手に入ります。

それらの情報をどう感じ、理解し、どう活用するのかいうことも重要ですが、
女性社員一人ひとりが、「社会人として」「その会社で働く社員として」「女性として」何を実現したいのか、それらが明確にならなければ、「生き生きと働くためにはどうすれば良いか」という答えを生み出すことはできないと感じました。それらは普段、"なんとなく皆わかっている"と思いがちですが、一人ひとり考えや理想は異なります。"なんとなく思うこと"を言葉で表現し、大きな方向性を一致させることで、「生き生きと働くために何が必要なのか、何を変えなければいけないのか」を、議論できるのではないかと改めて感じました。
                         OBT協会  伊藤 みづほ

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