OBT 人財マガジン

2006.09.12 : VOL7 UPDATED

OBTカフェ

  • 今年の就職活動は「楽・迷・動」

    お客様の採用のお手伝いを通じて日々実感すること - 1

    株式会社エル・フォート 入社2年目の海津です。
    毎日コミュニケーションズが、07年春卒業予定の大学生を対象に行った調査によると、今年の就職活動を表す漢字の1位は「楽」、2位は「迷」、3位は「動」という結果になりました。ちなみに、就職氷河期と言われた2001年の調査では1位「苦」、2位「耐」、3位「忍」と、今回とは対照的な漢字が並んでいます。

    ■「楽」に「楽」しく就職活動ができた反面、企業を絞りきれず「迷」った学生も多いようですが、「迷」える現状は新卒だけではありません。定職を持たない若年の「フリーター層」は03年の217万人をピークに05年には201万人に減ったものの、働く意志のない「ニート」は02年に64万人に達して以降、減少する兆しは見えていないようです(数値は日経新聞調べ)。

    ■「新卒」「フリーター」...学生からの卒業を境に、仕事選びで様々な「迷」いが生じているようです。それでは大学生を目指している「受験生」には、現在どのような特徴があるのでしょうか。

    ■最近、大手予備校の企画・マーケティングチームの部長とお話しをする機会がありました。
    そこで「今の予備校生を『漢字一字』で表現していただけますか」とお願いしたところ、「個」と回答をいただきました。
    多数と共存、競争するのではなく「個人を見てほしい」「自分の都合を最優先する」という意味だそうです。膨大なモノ・情報・サービスが溢れる中で、それらを自由に自分の好みで選択できる、そんな現代の背景が反映されていると感じました。

    ■現在求職者数は頭打ちの状態。有効求人倍率も1.68倍とバブル期並です(H18年度6月:東京労働局調べ)。少子化が進み、求人件数も余剰していく中で、情報を自由に取捨選択してきた世代を採用していくには、どうすれば良いのでしょうか。

    ■常にモノや情報が溢れている世代にとって、「やりたい事」「欲しいもの」を問われても、「どれが本当なのかわからない」のが普通なのかもしれません。
    だからこそ、企業側が「自分達はどんな会社なのか」を、学生へ正確に伝えることが大事なのではないでしょうか。

    ■「どんな会社か」相手に伝えるためには、まず「自分達がどんな会社」なのかを知ることから始まります。「自社のものさし」ではなく「客観的に会社を知り」そして「事実を伝える」ことが、会社も求職者も不幸にならないために必要なことなのではないでしょうか。
                            株式会社エル・フォート  海津 茂史