OBT 人財マガジン

2012.06.27 : VOL142 UPDATED

編集後記

  • 自社の利益とは何か

    今回、京都駅から取材先であるMK本社まで敢えて同社のタクシーを利用してみた。


    もちろん、運転手さんは我々がこれから取材に行くことは知らない。
    車内に乗り込んだあと、目的地や車内の温度確認等マニュアル通りの会話が一通りされ、
    その後は、本社まで短い距離であったが、観光ガイドのように
    京都についていろいろと話しをてくれ、楽しい時間を過ごした。


    日頃タクシーを利用して思うことは、運転手さんの対応一つでその価値が決まるということ。
    同じ距離を移動するにも、感じのいい運転手さんだと、支払いがとても快くできる。
    それに比べ、態度の悪い運転手さんだと、その提供する価値と支払うべく金額の差を
    感じ、気分を害することが多々ある。


    それは、"私は客だからちゃんとした扱いをして欲しい"
    ということではなく、社会人として、ごく基本的な対応をして欲しいということだ。
    挨拶が出来ない人や横柄な態度をとる人等、特に目立つのが、
    接客をする気がまるでない運転手がまだまだ多くいる。


    タクシーは運送業であると同時にサービス業でもある。
    そのため、目的地に到着するまでのサービスが重要になる。


    今回お話を伺ったMKタクシーさんでは、従業員の教育にとても力を入れていた。
    その表れの一つが"過去にタクシー運転手の経験がある人は採用しない"ということ。
    経験がないということは即戦力にならず、教育に多くの時間と費用を要するが
    経験者であるがゆえ、これまでのやり方、考え方が染みついており、
    MKの考える顧客満足をすんなり受け入れることができないというのがその理由である。


    どの業界でも、即戦力は重要視される。
    しかし、それは、短期的な目先の利益に対応した人財であって
    長期的視点に立ち、同じ志を持った人財を育てようとするときには不向きである。


    あなたの会社は短期的利益を生む人財と、今は未熟でも長期的視点を持ち
    手間をかけて育てることによって将来の軸となる人財。
    日頃どちらを選択していますか?


    経営に答えはありませんが、考える価値は十分あると思います。


                                                  OBT協会 菅原加良子

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