OBT 人財マガジン

2008.05.14 : VOL45 UPDATED

編集後記

  • 「自分のこととして捉える」センス

    「私たちは特別だから」「うちはまだそこまでいってないから」「歴史や伝統があるから」
    営業先でこの様な発言を聞くたび、「何を根拠に"大丈夫"なのか」と疑問に感じることがありますが、この様な発言をする人は、「自分たち以外で起きていることは、自分たちに関連性はない」
    という前提に立っています。


    人や組織が変わる際には「このままではいけない」という危機意識が必要ですが、
    それを持つには、自分以外の「他社・他者で起きていることが、自分の身に起こりうる」
    という観点を持てるか否かにかかっていると思います。
    "人のふり見てわがふり直せ"を、どれだけ広い領域で実践できるか、
    ということになるのでしょうか。
    ■ハングリー精神、競争意識が高い新興国と競争する事になったら...
     そもそも以前から組織風土がぬるま湯体質になっているのでは...
    ■多発する不祥事問題...我社の社員は業績圧力に左右されない倫理感を持っているだろうか...
     最近コンプライアンス部門は機能しているのだろうか...


    業界や企業によって起きている事象は様々ですが、ビジネスの潮流から外れた企業など
    存在せず、それぞれが同じ体系の中で相互影響し合っているはず―
    「自分だけは大丈夫」と考えるのは、自分がそう思いたいだけではないでしょうか。
    アンテナを高く立て、他社・他者で起きている事を早期に察知し、
    「他でも起きたのだから、いずれ私たちにも起こりうる」と置き換えるセンス、そして
    そのリスクを自社に起きている微小な変化から気づける力が求められているように思います。

    OBT協会 海津茂史

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