OBT 人財マガジン

2009.09.09 : VOL75 UPDATED

編集後記

  • 応用力を身につける

    【ようこさんたちは、バスに乗って港博物館に行きます。このバス停には、
    午前9時40分に集合します。港博物館まではバスで20分かかります。
    午前10時20分までに、港博物館に着くためには、
    午前何時何分に発車する予定のバスに乗ればよいですか。
    その時刻を、時刻表から選んですべて書きましょう】


    上記は、4月に行われた「全国学力テスト」で出題された実際の問題です。
    小学6年生の正答率が半分にも満たないと知り、驚きました。


    単純計算はできても日常生活に応用させて考えるということができない、というのです。
    学力の低下を危惧するのと同時に、これは大人の社会でも同じことなのでは、
    と考えさせられました。


    知識がいくらあっても、使いこなす応用力がなければ何の意味もないからです。


    ユニ・チャーム株式会社では、経営会議から戻った幹部が社長のスピーチなどから
    感じた事を、自分の言葉で咀嚼して部下に伝える決まりがある、というお話を伺いました。


    何度も何度もいろいろな例を出しながら、繰り返し伝え続ける。


    これにより、実際の仕事の場面で"DNA"をどう活かせばいいのかを、
    組織の末端まで浸透させることができるというのです。


    確かに、意味のわからないもの、使い方のわからないもののままでは、
    それを応用させることもできません。


    会社の理念が詰まった"語録"を、単なる知識で終わらせない仕組みが
    きちんと整っているのです。


    同じ意識を持ち、同じ目標に向けて走り続ける――


    これこそが業界をリードし続ける"強い"組織の秘密なのかもしれません。


    実践で使える応用力、果たして自分は"何点"なのだろう、
    学力テストのニュースを聞きながら、ふとそんなことが頭をよぎりました。

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