OBT 人財マガジン

2009.11.11 : VOL79 UPDATED

編集後記

  • 企業にも個性を

    他の商品よりもできるだけよいものを購入したい、という消費者の欲求は
    他の誰かよりも秀でた才能を持つ人財を採用したい、と願う企業の欲求に似ている。


    同じようなものなから、栄えある"ひとつ(ひとり)"として選ばれるには
    時として、固定概念に縛られない斬新な発想や目をひくだけの個性が必要とされる。 

    企業間の競争においてもやはり同じことでまわりと同じことをしていては、
    "その他大勢"のひとつとして、同業他社に埋もれてしまうのがおちなのである。


    価格の詳細を明らかにせずに暴利を得る、という悪習が続いていた葬儀業界に
    「明朗会計」や「セット価格」という新しい風を吹き込んだのが葬儀"ベンチャー"ともいえるティア株式会社だ。


    冨安社長は、葬儀業界に若い頃から身を置いていたにも関わらず
    長きにわたって"受け継がれて"きたこの悪しき習慣に、疑問を抱いたという。
    後から聞けば、「なるほど、勝因はそこにあるのか」とも思うが
    実際、当たり前のことを当たり前と思わないことは、想像以上に難しいものだ。
    旧習を「当たり前」として受け流さず、素直に疑問を持った感性が素晴らしい。


    ティアの新サービスは、単純な正義感からはじまったことなのか、とも思っていたが

    話が進むうちに、冨安社長の掲げる強い理念に行き着いた。


    ――日本で一番「ありがとう」と言われる葬儀社を目指したい。


    売り上げや利益ばかりを追求するのではなく、相手の立場にたったサービスを
    心から大切にしたい、という熱い思いが伝わってくる。

    当たり前のことにも疑問を持つ感性、ブレることのない強い理念。
    ティアの企業力・ブランド力の源は、冨安社長が抱く強い思いにほかならない。

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