OBT 人財マガジン

2010.07.28 : VOL96 UPDATED

編集後記

  • 技術の蓄積から得られるもの

    今回お話を伺った横山社長の話の中で、とても記憶に残った言葉がある。


     それは『時流に迎合したものを作るのではなく、本当にいいものを
     我々が作り続けていく』という言葉だ。


    消費者は自分勝手である。流行りに飛びつき、あっと言う間に飽きてしまう。
    しかし、その"流行り"の力はすごいもので、短期間のうちに莫大な売上となる。


    例えば、いまここに『流行り』というニーズと『技術』というニーズがあるとする。
    一つを選び商品化するといった際に、流行りという楽なニーズに飛びついてし
    まうと、その時点では、すぐに売上につながるかもしれない。しかし、ブームが
    去ってしまえば、すぐに不良在庫となってしまう可能性がある。
    一方で目新しくはないが、新たな技術に挑戦し、時間をかけて作りあげた商品
    があるとする。その商品は一部の人には好評であり、多少の売上であった。
    しかし、やはり流行りのニーズの商品と一緒で不良在庫となってしまった。


    2つを比べると後者はとても意味のあることであると思う。
    なぜなら、その企業に技術や知識が蓄積したからである。


    その技術や知識の蓄積こそが、企業を強くすることなのではないだろうか。
    目先の利益を追う企業には、何も残らないが、地道に技術を磨いていく企業
    には力がついていく。


    この技術の蓄積こそが『新たな考え』また『いい商品』を生み出す。


    というのは、『新たな考え』また『いい商品』は今までの経験や体験、また蓄積
    があって始めて生まれるものだからである。更にいうと、そのことを常に追求
    している人(企業)に生まれるものだと思う。


    これから先、企業が生き抜いていけるかどうかは自社の強み(蓄積)を広げる、
    もしくは深めるなどの戦略にかかってくるのではないだろうか。そして、それに
    加え、"いいものをつくる(提供する)"と言う強い信念がなければ勝ち抜いてい
    けないのである。

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