OBT 人財マガジン

2010.09.08 : VOL99 UPDATED

編集後記

  • 長寿企業の人財育成

    今回は現存する世界最古(社歴1432年)の企業である金剛組様へインタビューに
    お伺いしました。


    米国のフォーチューン誌によると企業の平均的な寿命は概ね40年~50年と言われ、
    人間の寿命よりも短い。しかし、金剛組様は1400年という想像を絶するほど永い
    時間を企業として生き続けているのだ。


    これから先の1400年後は、全く想像が出来ない。
    今、使っているパソコンはどんな変化を遂げているのか、
    また、今居るこのオフィスの場所は何に変わっているのだろう・・・
    建物が建っているのか、森になっているのか、
    はたまた、この地球が砂漠になっているかもしれない。


    未来の1400年先は体験できない。
    しかし、今から1400年前のことは体感することができる。


    実際にお話をお伺いし、出来事一つ一つから、その当時の金剛組様の考え・思いを
    感じ取ることができました。
    1400年間という歴史の重み。
    今も皆さんが会社に誇りをもって仕事をされている様子が伝わってきます。


    それは、自分の仕事の領域だけではなく、若い世代に技術を伝承するという思いに
    も表れていました。(この人に聞くをご覧ください)


    マネジマントの現場では、よく上司が指示を細かく出しすぎたり、部下に任せずに自
    分で進めてしまい、部下の考える力・経験の場を与えられないケースがよくある。


    上司にとって、今今の仕事を終わらせる為には仕方なかった。
    しかし、本当にそうなのであろうか。
    若い芽が育たなければ、会社全体の質は上がっていかない。
    最近、よく耳にするゆとり世代の新卒、そして、既存の部下たちを育てていく意識が
    ないと、これからの企業の成長はない。


    それには、まず、上司自ら勉強することが必要になるのではないだろうか。


    なぜなら、意外と上司の能力が低下しているケースもあるからである。
    時代は変化し、考え方も変わっているにも関わらず、過去の成功体験をいつもでも
    大事にしていないだろうか・・・。
    部下に教える前に、もう一度自身の仕事を見直す機会が必要になるかもしれない。


    今回の金剛組様からは、脈々と受け継がれてきた伝統、守り継がれる訓え、そして、常に
    新しい技術を取り入れようとする気持ち。また、積極的に若い世代を育てる心などの
    お話を伺い、長寿の秘訣の一つに「人財教育」が大きく関わってきているのだと
    改めて感じた。

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