OBT 人財マガジン

2008.02.27 : VOL40 UPDATED

現場ドキュメント

  • 企業組織変革と人事戦略 (2)

    <組織形態の発展段階と人事機能>

    一般的な組織の発展段階は、機能別組織→事業部制組織→カンパニー制組織→分社組織と考えられます。
    機能別組織とは、開発、生産、販売、管理といった経営機能ごとに組織編成された形態です。
    機能別組織では、技術者は開発部門に、技能者は生産部門に、事務員は管理部門というように機能ごとに同一部門に集められることになります。
    同じ仕事を担当するスタッフが1つの組織に集結するため、スキルや知識の伝達・共有化がしやすく、専門性を高めやすいというメリットがあります。
    では、なぜ機能別組織は、事業部制組織に移行していくのでしょうか。
    たとえば、製薬メーカーが食品事業に参入した場合、新事業の食品とは、研究開発、製造、物流、営業のすべてが異なりますので、機能別組織の適合性が低下します。
    そこで、各々の事業部として研究開発から営業、マーケティングまでの一貫したマネジメント、すなわち事業部制組織への移行が必要となってきます。
    事業部制への移行ニーズは、このような製品の多様化のほかにも、販売エリアの拡大や、販売チャネルの多様化に伴って採用されることもあります。
    事業ごとに編成された事業部制組織は、事業運営に関する責任・権限を本社が事業部に委譲することで、本社の経営負担を軽減するとともに、各事業の状況に応じた的確で迅速な意思決定を促進しようというものです。
    カンパニー制組織は、英語のカンパニーが日本語で会社と訳されることからもわかるように、社内組織にもかかわらず、あたかも独立した会社のように自律的な経営がなされることをねらった組織で、各事業部が経営機能を重複するため、経営資源面での無駄が生じる、あるいは、組織の壁により、事業部をまたがる新商品、新サービスが生まれにくくなる、といった、事業部制組織の弊害を解消したものです。
    さらにそれを徹底させていけば、分社化ということになります。
    分社化とは、企業の事業や業務機能を担う一部門を本体から分離して独立した子会社にすることです
    このように、企業組織は段階的に発展していきます。
    近年、日本で分社組織が注目されてきた背景の、1つは、企業の国際競争が激化する中で、日本企業が機動的に組織を再編する必要性が生じていることです。
    もう1つは、株式市場の評価が企業経営に与える影響が高まり、株主資本の効率的な運用の観点から、事業の選択と集中が求められているためです。
    事業の選択と集中は、同時に人事機能においても求められます。
    突き詰めれば、果たすべき人事機能は何かということです。
    その1つに「人事企画機能」があります。
    企業における終身雇用、年功序列のコンセンサスが大きく変わってきた現在、自社の人員の状況に照らして、どう変えていくのかの解を見出していかなければなりません。
    また、幹部社員の養成の計画策定や教育プログラムの開発や実施が、人事制度開発と同様期待されます。人事は、いまやオペレーショナル業務から研究開発業務に変わってきています。
                                      以上
    On The Buisiness Training 協会  栗田 猛