OBT 人財マガジン

2009.12.09 : VOL81 UPDATED
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自分の判断と意思決定の前提となっているものを知る ワタミ株式会社では、業務の標準モデルを作る事を「『正』を明確にする」と呼んでいました。 どんな業務にも、どんな現場にも「本来こうあるべき」という手順や状態がある- 『正』が明確になれば何が出来ていないかも明らかになり、修正すべき点がわかる- とおっしゃっていました。 企業によって『正』『型』『基軸』『スタンダード』など表現の仕方は様々ですが、 
 例えば管理職であれば我流や現象対応ではなく、「本来こうあるべき」組織運営の在り方などを明確にし、それに照らし合わせて、 日々の判断や意思決定を行っていく必要があります。 先月、管理職を対象に「"本来こうあるべき"組織運営の判断や意思決定力の向上」 
 をテーマにトレーニングを実施しました。このトレーニングを実施した背景として、 
 ・管理職のマネジメントがそれぞれ我流であること、また、
 ・5年前に3社が統合されたため、出身企業による特徴も見受けられるので
 自社内で「管理職のマニュアル」を作成したが、なかなか浸透しない
 という状況がありました。マニュアルで示せる部分もありますが、 
 ・まず管理職として、自分を取り巻く環境のどこまでを自分の取り組むべき対象として捉え、
 どのように関わっていくかが重要である、ということを認識し、
 ・そして、その前提となっているのが、自分自身の「主体性」であり、
 「判断」や「意思決定」のレベルを上げていくこと
 を目的に、トレーニングを実施しました。●我が社の現場で起きている組織運営上の課題を議論 事前に、我が社で現実に起きている課題を現場にヒアリングした上で、 
 生の"日常のワンシーン"を題材として作成。その題材の解決策に対する自分の考え方と周囲の考え方をぶつけながら議論していきます。 - これってウチでもあるよね 
 - 本来こう考えるべきだけど、別のことが優先してしまう
 - 同じ情報を見ているのに、意見や考え方がそれぞれ違う
 - 自分が日々"その場しのぎの対応"をしている気がする
 - 判断をする時、狭い範囲や特定のことに注目してしまっている
 - 管理職でこれだけ判断や解決策の軸が違うとまずい
 - この解決策では、本質的な問題には手を打っていない他者との議論を通じて、自分の判断や意思決定等の特徴をそれぞれが認識していきます。 普段の判断と意思決定の前提となっている自分の"ものの見方や考え方" 
 を客観的に見つめ直すことで、自己の「基軸」を革新する必要性を理解していきます。
 ●現実の課題だから気づきや議論が深いその後、全体で議論していきますが"我が社の課題"として議論がなされていきます。 
 途中「とは言っても、ウチでは・・・だから」など様々な制約条件や個別事情が出てきますが、
 トレーナーも一緒になって議論をしていく中で、"本来、どうあるべきか"
 "本来、どう考えるべきか"というところから議論がなされるように流れが変わっていきます。架空のケーススタディではなく"我が社の現場で起きている組織運営上の課題"を題材とする事、 
 そしてトレーナーが繰り出す"知"から、"現実"を見ることにより、気づきや議論が深くなっていくのだと思います。 ビジネスマンは、現実の課題解決や自分の役割を遂行する上で有効であると認識した時に、 
 真剣に議論していく。だからこそ、トレーニングに架空やセオリーなどではなく、 "現実"を持ち込むことが重要であると思います。 

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