OBT 人財マガジン

2010.04.21 : VOL90 UPDATED

人が育つを考察する

  • 新入社員研修に何を教えるべきか

    公益財団法人日本生産性本部から発表されている新入社員のタイプ。
    今年は「ETC型」だそうです。

     

    その心は・・・
      性急に関係を築こうとすると直前まで心の「バー」が開かないので、
      スピードの出し過ぎにご用心。
      IT活用には長けているが、人との直接的な対話がなくなるのが心配。
      理解していけば、スマートさなど良い点も段々見えてくるだろう。
      "ゆとり"ある心を持って、上手に接したいもの。

     

    昨年は、「エコバッグ型」。
    そのネーミングの巧さに毎年、感心してしまいます。
    しかし、新入社員の方々を見て人の本質はそう変わっていないのだろうとも思います。

     

    先週、新入社員研修を担当させていただき3年目になる
    企業様の研修を3日間オブザーブしてまいりました。

     


    答え(正解)があった学生時代と、答えがないビジネスの世界。

     

    私も含め、頭ではわかっていても、
    答えがあった時代から抜けられない先輩社員も多くいる中、
    ビジネスとは、会社とは、上司とは・・など
    テンプレートがない新入社員に、何を教えるべきだろうか。

     

    今回の新入社員研修では、
     ① 世の中は、正解がない - そんな中で自分がどう考えるかが重要
     ② 人間関係は選べない -  様々なものの見方、価値観の中で仕事をしていく 
    ことをトレーニングを通じて理解し、
    自分を振り返ること、また、他者との対比やフィードバックから 
     ③ 自分を知る
    ことにポイントを置いて進めていきました。

     

    新入社員の議論や行動を見ていると
    実際のトレーニングのワークをやっている時にではなく
    トレーニングのワークについて、また今日の自分について
    振り返っている時に一番、得ているものが多いようです。


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     ・昨日は、私は義務感でやっていた。でもそれではだめなんだ。
       自分の主体的な意思でやらなければ、自分にとって意味がない。
     ・毎日、日記を書いているが
      昨日の日記に、自分でバカやろうと書いた。
     ・同期の中で意見を言えなかった自分は、学生の頃もそうだった。
      影響力が発揮できなかった。
     ・報告・連絡・相談はわかっているのに、時間が守れなかった。
      簡単なことなのに、実際に行うことは難しい。
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    振り返ることにより気づき、学習し、成長する。

     

    個人の振り返りに対して、議論をすることにより、また気づき、深く学習していく。
    他者からの意見や自分と違う意見を吸収しようとする
    新入社員の方々の素直さから、私達が学習することが多くあります。


    外部による新入社員研修を検討いただく際、カリキュラムや資料、
    また今までにない画期的な手段に関心がいきがちですが、
    「何を気づかせ、何を教えるか」を明確することが重要ではないでしょうか。

    そしてそれは、
    新入社員の受け入れ期間中の事務局側のスタンスとも連動し、
    一貫したメッセージとして言葉と行動で打ちだして伝えていかなければ
    新入社員の方々には伝わっていかないと感じます。