OBT 人財マガジン

2009.09.24 : VOL76 UPDATED

経営人語

  • 目先の利益は捨てる、将来のモードで経営を!

    人間でも企業でもソロバン勘定に合わないことはやらず合うことだけをやる。
    それが普通の経営手法であり、効率経営ということになる。

     

    然しながら、損得勘定というのは、現在までのことであって未来という意味では

    それはあまりあてにならないことが多い。


    何故ならば、世の中やビジネスというのは、ソロバンで弾いた通りやってくるわけではないし

    未来は得てしてこちらが考えた通りにはやってこないというのが一般的である。

     

    株式会社ファーストリティリングを率いる柳井社長談

    「事業の将来は、いかに論理を積み重ねてもフレームを駆使しても掴むこと等出来ない。まずはやってみる。

    早く失敗して、早く考えて/要因分析して早く行動する。失敗を9度重ねて1回の勝利に結びつく。」

     

    柳井さんの経営者としてのこの言葉は、本質であり極めて納得感が高い。

     

    今、効率的と思ったことが将来は、極端に非効率に変化してしまうこともありえるし

    その反対に今の非効率が将来の効率に変化することも十分あり得る。
    世の中の全てのものが変化しており、現在進行形であって将来はどうなるかわからない。 

    そもそも将来は予測すること等出来ないということである。

     

    企業経営でも全てが売り手にとって効率がいいように都合がよくなるようにやってはいるものの

    その選択の結果はどうだろうか?

    全て、自分たちが考えた通りの成果を上げているかどうかということである。

     

    何か得で何が損か等は論理や理屈では全くわからない。

    考えて見るとこちらにとって損であることは顧客にとっては得なことである。 

    顧客満足といっても今の世の中で顧客満足を標榜していない企業等見たことがない。

     

    然しながら、あることをすれば必ず、一定の成果が得られるという代物などこの世の中には存在しないのである。

     

    特にビジネスや商売というのは、そうは運ばないのである。
    こうすれば、こうなるという代物があれば誰もがその通りやってうまくいくはずである。

    経営不振になる企業等ないのである。

     

    また、全く同じことをやっても全ての企業がうまくいくわけでもないのである。

     

    将来のことは将来に聞く、将来を信じてそれに懸ける。日頃から将来を感じつつ行動する。 

    つまり過去のモードではなく、将来のモードで行動する、将来のモードで経営するということしか

    これからの不確実性の高い事業環境を埋めることは出来ないであろう。